店舗紹介は動画が効果的。制作手順や制作時のポイントを解説
2022 02.28
近年、スマートフォンの普及や通信環境のブロードバンド化によって、さまざまなシチュエーションで動画を視聴できるようになりました。そのような時代背景を受けて、業種や規模を問わず、店舗紹介に動画を導入するケースが増えています。今後導入を考えている店舗や、すでに導入しているものの十分な成果を上げられていない店舗に向けて、店舗紹介動画を制作するメリットや制作方法についてご紹介します。
目次
- 店舗紹介に動画を活用するメリット
- ありのままの雰囲気を伝えられる
- 静止画よりも情報量が多い
- SNS等を利用して多くの人に届けられる
- 店舗紹介動画を掲載する媒体
- ホームページ・メルマガ
- YouTube
- SNS
- 店頭広告
- 店舗紹介動画の制作手順
- (1)ターゲットの設定と公開メディアの選定
- (2)動画のコンセプトや構成内容を決める
- (3)動画を撮影す
- (4)動画を編集し、公開する
- 店舗紹介動画を制作する際の3つのポイント
- リアリティや臨場感を大事にする
- テロップを入れる
- 3分以内におさめる
- 店舗紹介動画の事例
- カフェ「WHITE RAINBOW
- 焼鳥店「炭屋ご神木」
- 音楽教室「小林音楽教室」
- まとめ 動画を活用した店舗紹介で集客につなげよう
店舗紹介に動画を活用するメリット
店舗紹介のツールとして動画を導入するケースが増えていますが、動画には旧来の集客ツールである雑誌広告やチラシ、ポスティング等にないメリットを有しています。そのメリットを大きく3つの項目に分けて紹介していきましょう。
ありのままの雰囲気を伝えられる
まず店舗紹介動画では、店舗の特徴を「ありのまま」伝えられるという利点があります。施設の特徴をテキストで伝えようとすると、同じ形容詞であっても人によって受け取り方はさまざまです。たとえば、店舗の内観を「おしゃれ」と表現しても、人によって想像するインテリアは異なるでしょう。また、静止画像だと実際の広さと違って見える場合がありますが、動画なら360°全アングルから撮影可能なので、店舗の広さや雰囲気が「ありのまま」伝わります。
静止画よりも情報量が多い
店舗紹介動画には、一度に多くの情報を伝えられるというメリットがあります。静止画と異なりスクロール等のアクションも不要なので、ユーザーがストレスフリーで情報を入手できるのもポイントです。店舗紹介の動画内に、自店舗のテイストに即したデザインを施せば、より雰囲気を伝えられるでしょう。店舗への道案内など入り組んだ情報も、動画ならユーザーにスムーズに理解してもらえるため有効です。
SNS等を利用して多くの人に届けられる
店舗紹介動画はSNSと非常に相性のいい集客ツールと言えます。SNS上にアップした動画は拡散を期待できるため、視聴数に比例して集客数のアップも望めるでしょう。また、ホームページを海外に向けて発信する場合、多言語化が必要ですが、直感的な理解が可能な店舗紹介の動画なら言葉の壁を超えて海外の人に情報を届けることができます。地理的な接点がない人ともインタラクティブな関係を築ける点が、動画コンテンツの大きな魅力です。。
店舗紹介動画を掲載する媒体
店舗紹介の動画コンテンツは、一本制作すれば幅広い媒体にアップできるという利点があります。店舗紹介動画は、主にどのような媒体に掲載されているのでしょうか。
ホームページ・メルマガ
自店舗のホームページに店舗紹介の動画をアップすると、臨場感を伴ったプロモーションが可能となります。自店舗のホームページに限らず、WEB媒体の店舗紹介サイトや店舗紹介ページに転用することもできるでしょう。また、定期的に配信するメルマガにスタッフのコメントや商品の製作風景といった動画をアップすれば、ユーザーに親近感を抱いてもらい、リピーターやファンの獲得に繋げることができます。
YouTube
店舗紹介動画をYouTubeで公開するためには、YouTube上に公式アカウントを作成して投稿する方法と、予算を決めて有料の動画広告を出す方法があります。前者の場合、店舗メニューのレシピを公開するなど、娯楽として視聴してもらえる動画を投稿すれば、視聴数の上昇に伴って店舗の認知度アップを期待できます。
SNS
巨大プラットフォームであるSNSに店舗紹介の動画をアップすれば、リツイートによる拡散を期待できます。Instagramは位置情報を併せて掲載できるため、来店などの行動喚起に繋げることも可能です。ハッシュタグ機能による情報収集はリアルタイム性に優れているため、即時的な集客アップを狙えるでしょう。
店頭広告
街頭ビジョンや店頭モニター、タクシービジョンといったデジタルサイネージで店舗紹介動画を流す方法もあります。チラシやパンフレット等は手にとってもらわなければ情報が伝わりませんが、デジタルサイネージの場合はアイキャッチ効果が高く、通行人の目に留まりやすいという特色があります。店頭広告は、特定エリアでの集客アップに適した媒体です。
店舗紹介動画の制作手順
スマートフォンのデフォルト機能でも店舗紹介動画の撮影・制作は可能ですが、ターゲットに的確に情報を発信し集客数アップに繋げるためには、いくつかの留意点を押さえる必要があります。ここでは、有効かつ効率的な店舗紹介動画を制作するためのポイントを挙げていきましょう。
(1)ターゲットの設定と公開メディアの選定
競合店の中で優位性を図るためには、自店舗の強みや既存ユーザーの特性を分析し、業種内でのポジショニングを明確にしておきましょう。そして、年齢や性別、居住地、趣味嗜好など、多様なフェーズにフォーカスし、ターゲットの具体的な人物像を描きます。
また、メディアによって画面サイズが異なるため、店舗紹介動画を公開するメディアをあらかじめ選定しておく必要があります。YouTubeは、縦横9:16、Instagramは縦横1:1、縦横1:1.91、縦横5:4の3種類のサイズで動画が公開されます。複数メディアで流用する場合、左右がトリミングされることを考慮し、重要な要素は中央にまとめて撮影するようにしましょう。
(2)動画のコンセプトや構成内容を決める
店舗紹介動画のコンセプトや方向性を決める際は、情報を盛り込みすぎないことが重要です。動画を全編視聴しても、記憶に残る情報は2~3割であることを意識して、訴求点を整理しましょう。ターゲットのニーズや動画の視聴環境、アクションまでの流れを想像しながら、動画コンセプトを作成しましょう。
コンセプトが決定したら、それをビジュアル化するための手法や構成を検討します。リアルな実写やアニメーション、イメージ映像、インタビューなど、あらゆる手法を視野に入れましょう。SNSの場合はクリエイティブ要素を取り入れることで、注目度が高まる傾向にあります。絵コンテを作成し、構想を視覚化しておくと制作がスムーズに運ぶでしょう。長編の場合は冒頭にインパクトのある映像や音楽を配置し、ユーザーの興味を惹きつける必要があります。
(3)動画を撮影する
店舗紹介動画を撮影する際は、撮影に必要な人材と物資、場所を確保し、事前にスケジューリングしましょう。本番と同じ時間帯・同じ場所でリハーサル撮影をしておくと、本番前に細かな微調整が可能です。声を録音する場合は、マイクを準備しておくとよいですね。編集時に明度調整や雑音カットができるとはいえ、クオリティの低下につながるため、撮影の際は万全の状態を整えておく必要があります。クオリティにこだわる場合は、店舗で不足しているリソースや撮影プロセスを外部に発注するという選択肢もあります。
(4)動画を編集し、公開する
動画編集に特化した高機能なソフトやアプリが多数存在するので、店舗紹介の動画を編集する際には有効活用して工数を削減しましょう。公開するメディアによって制限時間や書き出し形式、解像度等が異なりますので、事前に確認しておきましょう。
編集は、カット割りやテロップ、特殊効果、BGM、ナレーションなどを効果的に組み合わせて、訴求すべきコンセプトを視覚化します。音楽の著作権や出演者の肖像権に抵触しないかにも注意を払います。外注の場合は二次利用が制限される場合もあるため、コンプライアンスや契約内容の確認は必須です。また、動画のサムネイルが視聴数を左右するため、注意を引きつけるデザインにこだわりましょう。SNSへの公開時は、認知度向上のためのタグ付をお忘れなく。
店舗紹介動画を制作する際の3つのポイント
日々、膨大な量の動画コンテンツが世に送り出される中で、制作した店舗紹介動画がいかに注目度や話題性を高められるかが成功の鍵となります。ここでは最低限、留意すべきポイントをご紹介します。
リアリティや臨場感を大事にする
リアルな空気感や生の声を伝えられるのは動画コンテンツならでは。バックヤードや作業風景、スタッフのコメントなど、普段ユーザーが見聞きできない部分を紹介することで、店舗に対する親和度や理解度が深まります。また、グルメ店の場合、スープが煮え立つ様子や肉汁が溢れる様子など、シズル感を伴ったメニュー紹介が可能です。過剰な演出や演技は不要ですが、リアリティや臨場感を伴った店舗紹介動画は、ユーザーの「あの場所に行ってみたい」「あの商品を利用してみたい」という興味・関心を引き出します。
テロップを入れる
店舗紹介の動画は視覚だけでなく聴覚を伴ったアプローチができるというメリットがありますが、その裏返しとして、ミュート視聴の場合は情報が伝わりづらくなってしまいます。移動中に動画を視聴するケースも多く、ミュート視聴でも情報を伝えられるよう、テロップを挿入する必要があります。とはいえ、全音声にテロップを入れてしまうと重要な情報が記憶に残りづらいため、店舗紹介文など優先順位の高い情報からテロップを入れるようにしましょう。また、活用する媒体が大型ビジョンの場合は、遠くからでも判読できるようテロップも大きくする必要があります。
3分以内におさめる
ユーザーを再生途中で離脱させないためには、動画を適切な尺に収める必要があります。Twitterの最大再生時間は2分20秒ですが、ユーザー目線で分析すると40秒から1分が最適と言われています。Instagramの場合も1分の動画を投稿できますが、早々にフィードを移行するユーザーが多いため、30秒以上の動画はストレスを与えかねません。SNSで公開する場合、ストーリーよりもインパクトを重視し、短い尺にまとめることをおすすめします。YouTubeの場合も2分程度を目安にすると、ユーザーの心を捉え満足度を高めることができるでしょう。
店舗紹介動画の事例
店舗紹介動画の制作方法について触れてきましたが、完成形となるとなかなかイメージが湧きづらいかもしれません。そんな方のために、話題を集めた事例をご紹介します。
カフェ「WHITE RAINBOW」
人の目線で店内を撮影したシンプルな構成の店舗紹介動画です。おしゃれな空間を疑似体験しながら、シズル感あふれるメニューや、スタッフのホスピタリティを体感できる動画に仕上がっています。
焼鳥店「炭屋ご神木」
こちらの店舗紹介動画は、躍動感あふれる和のBGMに合わせて、カット割りを効果的に行っています。最後まで飽きさせない展開の中で、調理法や酒類へのこだわりを巧みに伝えている動画です。
音楽教室「小林音楽教室」
アニメーションを活用した店舗紹介動画の例です。必要な店舗情報を分かりやすく伝えるとともに、教室のアットホームな雰囲気を演出しています。
まとめ 動画を活用した店舗紹介で集客につなげよう
店舗紹介動画は、一本制作すると複数のメディアで流用でき、コストパフォーマンスのよい集客ツールと言えます。店舗の魅力を集約した代表作を制作するとともに、短尺動画でキャンペーンやイベント告知をリアルタイム発信するのも一つの手法です。ターゲットや目的に応じた店舗紹介動画を制作して集客につなげましょう。