ビデオグラファーとして働こう。国内の有名ビデオグラファーと作品も紹介

ビデオグラファーとは、映像制作の一連のフローを単独、もしくは少人数でこなす映像作家のこと。専門的な知識やセンスが求められますが、キャリアを積むごとに高い収益性を見込める職種です。動画マーケットの広がりとともに、国内におけるビデオグラファー人口は急増しています。この職種を志す方のために、一流ビデオグラファーの働き方や作品例をご紹介します。

 

目次

  1. ビデオグラファーとは撮影から編集までを行う仕事
    1. ビデオグラファーの仕事内容
    2. ビデオグラファーになるには
  2. ビデオグラファーの求人傾向や働き方
  3. ビデオグラファーに必要な機材
  4. 国内の有名ビデオグラファー10選
    1. 安藤隼人(あんどうはやと)
    2. 北川陽稔(きたがわあきよし)
    3. 関根光才(せきねこうさい)
    4. 瀧本幹也(たきもとみきや)
    5. 中野道(なかのみち)
    6. 長谷川圭佑(はせがわけいすけ)
    7. 松本花奈(まつもとはな)
    8. 山田健人(やまだけんと)
    9. 吉開菜央(よしがいなお)
    10. 波多野功樹(はたのこうき)
  5. ニーズが増えているビデオグラファー。自分に合った働き方でよい作品を制作しよう

ビデオグラファーとは撮影から編集までを行う仕事

映像分野での活躍が目覚ましいビデオグラファーですが、カメラマンや編集作家とどのような違いがあるのでしょうか。

ビデオグラファーの仕事内容

ビデオグラファーは、撮影や編集に特化した専門家ではなく、企画から演出、撮影、編集、完パケまでの全工程をワンストップで受注するクリエイターです。活動分野は、TVや映画、CM、WEBなど多岐にわたります。作品ジャンルも、ミュージックビデオやニュース、ドキュメンタリー、短編映画、ウエディングビデオなど多種多様。

 

近年ビデオグラファーは、幅広いジャンルをこなすオールラウンダーよりも、自分の得意分野に特化した専門家にシフトする傾向があります。ビデオグラファーを目指す人は、自分の極めたいジャンルを明確にしておくことが成功への近道といえるでしょう。

ビデオグラファーになるには

ビデオグラファーのキャリア形成は十人十色。コーポレートビデオグラファーを目指す場合、メディア学科で学位や資格を取得したのち、インターンやアシスタントとして経験を積む必要があるでしょう。一方、畑違いの職種から転身し、コンペ等に出品して実績を積むビデオグラファーも数多く存在します。未経験者としてスタートする場合、まず自分の撮りたい動画のイメージを明確にし、ポートフォリオを制作する必要があります。そのためには絵コンテ作成や機材調達、ロケハンなど、さまざまな工程を踏む必要がありますが、オンラインサロン等で情報を入手しながら、一つひとつクリアしていきましょう。

ビデオグラファーの求人傾向や働き方

PR活動に動画を採用する企業が増加しているほか、Netflixをはじめとするストリーミングサービスでもコンテンツが量産されるようになり、ビデオグラファーの需要は高まるばかりです。

 

ビデオグラファーの募集をかける企業は、テレビ会社や映像制作会社、広告制作会社などが多く、雇用形態も正社員のほかアルバイトやパート、業務委託などさまざまです。その多くは撮影や編集のスキルを歓迎しているものの、中には未経験可という求人も見受けられますので、興味のある方は求人サイト等で検索するとよいでしょう。

 

また、フリーランス志望の場合、クラウドソーシングサイトへの登録やビデオグラフィーグループへの参加を通じて、キャリアの機会をうかがうのも一つの方法です。

ビデオグラファーに必要な機材

ビデオグラファーの最重要アイテムはカメラ、レンズですが、撮影データを安全に保管するためにはHDDやSSDといった記憶装置の準備も疎かにできません。ワンオペの場合、ワイヤレスピンマイクなどの小型機材を導入すれば機動力を活かせるでしょう。

 

さらに、ロケーションムービーにはドローン、映画作品にはジンバルといった具合に、撮影目的に応じた機材が必要です。また、ビデオグラファーが主に用いている編集ソフトとして、「Premiere Pro」「Final Cut Pro」「 Da Vinci Resolve」が挙げられます。機能やコストパフォーマンスを比較して、自分に合ったものを選びましょう。

国内の有名ビデオグラファー10選

安藤隼人(あんどうはやと)

けやき坂46 『期待していない自分』

アメリカでCGアニメーションを学んだ経験を活かし、実写とCGの一体化映像やダイナミックなカメラワークを得意としています。この作品は、静と動、明と暗のコントラストを活かしつつ、アーティストの熱量が画面から伝わってくる作品に仕上げています。

北川陽稔(きたがわあきよし)

Ao 「空の無い世界」Music Video

札幌出身のビデオグラファーとして、北海道の風土をバックグラウンドに作品世界を構築。人物の動作や表情などのディテールを引き出す手法に長けています。この作品は、北海道の自然と廃墟を舞台に撮影され、森羅万象の明滅を描き出しています。

関根光才(せきねこうさい)

Young Juvenile Youth – Animation [Official Music Video]

映画監督としても脚光を浴び、観念的なビジュアルスタイルとクロスカルチュラルなストーリー構成で世界を魅了しています。この作品は、エレクトロニックな曲調に合わせてアーティストの顔をモデュレートするという前衛的な手法が話題を集めました。

瀧本幹也(たきもとみきや)

α7 IV:瀧本幹也氏映像作品「PRIÈRE」【ソニー公式】

写真家や映画の撮影監督など、さまざまなフィールドで活躍する瀧本氏。地球の原風景と、相対する人間文明を鮮やかに映像化しています。一瞬の木漏れ日や植物のかすかな息遣いまで捉えたこの作品は、自然に対する畏敬と祈りに満ちています。

中野道(なかのみち)

Gotch 『The Sun Is Not Down』Lyric Video

写真家として活躍しながら、時にビデオグラファーとしてアーティストのMVを手掛ける中野氏。このリリックビデオでは、次々と移り変わる世界の風景にリリックを重ね合わせ、曲のメッセージ性を強調しています。

長谷川圭佑(はせがわけいすけ)

cinematic movie『君の「秘密だよ」が聞きたくて。』

幅広い世代における女性同士の関係性を、繊細なタッチで映像化するビデオグラファーです。中でも“少女”をテーマにした作品群で知られ、このムービーでも多感な少女の絆を、淡々としたタッチで描出しています。

松本花奈(まつもとはな)

マルシィ – ピリオド (Official Music Video)

16歳で「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」審査員特別賞を受賞した、新進気鋭の女流ビデオグラファー。ストーリー性と色彩に富んだのびやかな映像世界は、視聴者に幸福感を抱かせます。このMVは、恋にまつわるさまざまな感情を豊かに表現した作品です。

山田健人(やまだけんと)

【パルコ】2018 AW |45秒CM

独学で映像技術を磨き、一流アーティストのMVやCMを手掛けているビデオグラファーです。シンプルな設計と上品な色遣いによるスタイリッシュな映像が印象的。映像監督を務めたこのCMでは、海上を優雅に歩くモデルに、自分らしさを追い求める女性の姿を重ねています。

吉開菜央(よしがいなお)

大比良瑞希 – 「33歳のエンディングノート」 ティザーMV

ダンサーや振付師としても活躍する女性ビデオグラファーの作品は、身体にフォーカスを当てた表現やリズムのある構成が際立っています。このMVは、都会で生きる女性の姿を描きつつ、その背景に人生ストーリーが垣間見える作品に仕上がっています。

波多野功樹(はたのこうき)

Short Film『 Ambivalent Walk 』 – KOUKI HATANO-

撮影や編集のみならず、作曲や演奏も自ら手掛けるビデオグラファーです。このショートフィルムでは、アムステルダムの日常風景を独特の視点で切り取っています。

ニーズが増えているビデオグラファー。自分に合った働き方でよい作品を制作しよう

今後、ビデオグラファーのニーズは一層高まることが予想されます。組織に属するかフリーランスで活躍するか、またどのような分野に狙いを定めるかについても、選択肢の広い職種です。ニーズに応じた映像を制作するのも一つのスタイルですが、作家性の強い職種ですから、自らの表現スタイルを追求してこそよい作品が生まれます。枠にとらわれることなく、心に思い描く映像世界を形にしてみてはいかがでしょうか。