3DCGとは?活用シーンやデザイナーの仕事について解説
2022 04.03
3DCGとは、「3 Dimensional Computer Graphics」の頭文字からなる略称で、コンピューターで制作する3次元の立体的なグラフィック(CG)のこと。現代のメタバースブームの影響も受け、3DCGではよりリアルな表現が追求されるなど大きな注目を集めています。この記事では、3DCGの概要から活用シーン、作り方とおすすめの制作ソフト、3DCGデザイナーの仕事内容など基礎知識を紹介します。
目次
- 3DCGとは「立体空間で描かれるCG」
- 3DCGが活用されている場面と作品事
- 3DCGの作り方
- 3DCGの勉強方法
- 専門学校・専門スクールで学ぶ
- オンライン講座を受講する
- 独学で勉強する
- 3DCG制作のおすすめソフト3選
- Maya
- 3ds Max
- ZBrush
- 3DCGデザイナー(クリエイター)の仕事内容
- 3DCGデザイナー(クリエイター)になるには
- 求人情報サイトで探す
- 派遣案件へ応募する
- フリーランスとして働く
- 3DCGを駆使してハイクオリティな動画制作を叶えよう
3DCGとは「立体空間で描かれるCG」
3DCGとは、3次元の立体空間で描かれるCG(コンピューター・グラフィック)のこと。「3 Dimensional Computer Graphics」の頭文字からなる略称です。縦と横からなる「面」での表現しかできなかった2次元のCGに「奥行き」を加え、3次元の空間で物体を「立体」として表現する手法です。作成した物体を加工して質感や陰影などを表現したり、アニメーションを加えて動きを出したりすることも可能です。3DCGは、CGの中でもよりリアルな表現が追求される、難易度の高い表現方法と言われています。
3DCGが活用されている場面と作品事例
3DCGが活用されている場面には以下のようなものがあります。
・アニメーション ・ゲーム ・映画 ・VR・MR ・建築 ・製造業 ・医療 ・広告 など |
3DCGをもっとも目にするのは、映画やアニメーション、ゲーム業界でしょう。最近のアニメーションやゲームなどには、ほぼ全てに3DCGが使われていると言っても過言ではありません。実写映画にも、戦闘シーンや景色などに特殊効果が使われていることもあります。最近では、スタジオジブリも初のフル3DCG作品を公開するなど、注目を集めています
スタジオジブリ最新作!ジブリ初のフル3DCG作品。自分が魔女の娘とは知らずに育った少女アーヤの物語。
映画やアニメ、ゲームなどのエンターテインメント業界に留まらず、3DCGは、さまざまな場面で活用されています。例えば、建築業界では建物等の完成予想図として3DCGが建築パースに活用されることが多く、従来のものよりもよりリアリティが増して具体的なイメージで制作が可能です。
このように、これまで2D(二次元)で行われてきたサービスや業種も、3DCGへと置き換わっています。一見関わりが薄く思える業界などでも活用は進められており、今後さらなる活用が期待されています。
3DCGの作り方
3DCG制作は簡単に言うと、コンピュータの中で作成した物体(モデル)に色を塗り質感を加えて動かし、光をあてて撮影することです。一般的に下記のようなプロセスに沿って作成していきます。
工程 | 内容 |
1.モデリング | 三面図をもとに動かしたいモデルを作成します。三面図とは、物体を正面・横・後ろから見た図のことです。 |
2.マテリアル | リアルな質感を出すためにテクスチャを作り、モデルに貼り付けます。金属の光の反射なども設定します。 |
3.リギング | モデルを動かすための仕組み「骨(リグ)」を設定します。主に手足のある二足歩行のキャラクターや動物などの関節部分です。 |
4.アニメーション | モデルがなめらかに動くように動きを付けます。 |
5.レイアウト | カメラのアングルや画角などを設定します。 |
6.ライティング | モデルに陰影を作り立体感を出します。 |
7.レンダリング | 3Dデータをもとにして2D画像を生成します。 |
8.合成 | 作成したモデルと背景や素材を重ね合わせます。 |
9.エフェクト | 必要に応じて特殊効果を加えます。 |
以上が3DCG制作の一連の工程です。3DCG専用のソフトを使い、実写では再現不可能なリアルな仮想空間やキャラクターを描画し、動きや陰影を演出して現実感を表現する作業になります。モデルの作成を専門とするモデラーやアニメーション専門のアニメーター、リギングの専門のリガーなど、ひとつの工程を専門にしている人もいるほど3DCG制作には専門的なスキルが必要です。
3DCGの勉強方法
3DCGの勉強方法について紹介します。
専門学校・専門スクールで学ぶ
CG制作の専門学校や専門スクールに通いながら3DCGのスキルを身につけます。カリキュラムを通して体系的に専門知識を学べるのが特徴。プロ講師によるフィードバックや添削・評価してもらえるのは大きなメリットです。独学ではモチベーションを保てない方にもおすすめです。
オンライン講座を受講する
完全オンラインで学べるオンライン講座があります。オンラインなので、場所を選ばず学べるのがメリットです。自分が必要とするスキルをピンポイントで身につけられるのもオンライン講座の特徴です。
独学で勉強する
独学で3DCG制作を学ぶ方法もあります。インターネットで調べたり、テキスト本を購入して勉強したりするのもひとつの方法です。スクールに通うよりもコストがかからず、自分のペースでできるのがメリットですが、わからないことは自分で調べなければならないので、モチベーションの維持が求められます。また、作った作品に対しての専門的なフィードバックが受けづらいこともデメリットです。
3DCG制作のおすすめソフト3選
3DCG制作のおすすめソフトを3つ紹介します。
Maya
製品名 | Maya |
販売会社 | Autodesk |
特徴 | ・精細なシミュレーションが作成可能 ・複雑なキャラクターや背景のレンダリングにも対応 ・アニメーションツールが充実 |
Mayaは、映画やゲーム、CMなどさまざまな3DCG制作の現場でもっとも使用されているソフトのひとつです。WindowsとMac OSに対応しています。3DCG制作における一通りの工程はもちろん、他ソフトとの連携もできる多機能で高機能なソフトです。
3ds Max
製品名 | 3ds Max |
販売会社 | Autodesk |
特徴 | ・プラグイン(拡張機能)を使って高度な表現が可能 |
3ds Maxは、CGアニメーション業界でのシェア率が高いソフトです。プラグインが豊富で、表現の幅を広げてくれるのも特徴。CADソフトと連携ができるため、建築業界でも利用されています。
ZBrush
製品名 | ZBrush |
販売会社 | 株式会社オーク |
特徴 | ・処理速度が速く、3D化もスピーディー ・直感的な操作でモデルの作成が可能 ・繊細な質感の表現も可能 |
ZBrushは、デジタル彫刻を行うスカルプティング(彫刻)に特化したソフトのひとつです。粘土を成形するように直感的な操作による3Dモデルの制作ができるのが特徴。モンスターなどの制作に向いており、映画やゲーム業界で多く使われています。
3DCGデザイナー(クリエイター)の仕事内容
3DCGデザイナー(クリエイター)の仕事は、専用のCG作成ソフトを使用してモデルや背景・アイテムなどを制作し、特殊効果や合成を施し3DCGを作り上げることです。前述した通り、そのプロセスは多岐に渡ることから、3DCG技術を駆使するための知識やスキルが求められます。3DCGデザイナーは、架空の世界やシーンの演出をグラフィックで創り出し、実写では表現できない映像世界を実現できるのです。
3DCGデザイナー(クリエイター)になるには
実際に、3DCGデザイナー(クリエイター)になるためには以下のような方法があります。
求人情報サイトで探す
映像制作会社やゲーム制作会社などに所属し、3DCGデザイナー(クリエイター)の職に就くのが一般的です。ほかにも、テレビ局や広告代理店、Web制作会社など、勤め先はさまざまです。現場で即戦力となるためには、複数の3DCG制作ソフトに柔軟に対応できるスキルが必要です。
派遣案件へ応募する
正社員ではなく派遣社員として職に就く選択肢もあります。大手企業では、多くの派遣社員を受け入れていますし、規模の大きなプロジェクトへの参加も可能です。原則3年で契約が切れてしまう派遣社員ですが、それを機にさまざまな企業や業界を経験できると捉え前向きに転職するなど、スキルアップも目指せるでしょう。
フリーランスとして働く
フリーランスとして働く方法もあります。その場合、全ての工程を自分一人で行うことになるため、3DCGデザイナー(クリエイター)としてある程度のスキルや経験が求められます。案件の獲得方法としては、以前勤めていた会社からの外注のほか、クラウドソーシングやマッチングサービスを使って探す方法もあります。
3DCGを駆使してハイクオリティな動画制作を叶えよう
3DCGについて、意味や作り方、3DCGデザイナーの仕事内容などを紹介しました。3DCGは、アニメーションやゲームなどのエンターテインメント業界以外でもさまざまなシーンでの活用が進んでいます。映像制作の世界では、作品を仕上げる知識やスキルが必要不可欠です。この記事でお伝えした内容を参考に学びを深め、3DCGを駆使してハイクオリティな動画制作を実現しましょう