【事例あり】ブランデッドムービーとは?企業が活用するメリットや作成の流れ
2022 05.20
自社のファンを増やすためのマーケティング施策の一つとして活用される「ブランデッドムービー」。企業のブランディング構築を目的とした動画で、YouTubeやSNSで動画がより手軽に視聴できるようになったことで、活用する企業が増えています。しかし、そもそもブランデッドムービーとは何か、動画広告との違いなどを知らない企業担当者の方もいるのではないでしょうか。この記事では、ブランデッドムービーについての基礎知識から、企業で活用するメリットや注意点を事例とともに紹介します。
目次
- ブランデッドムービーとは?
- ブランデッドムービーと動画広告の違いは?
- 企業がブランデッドムービーに注目する理由
- 動画市場の拡大
- ブランドへの信用度が重要視される傾向に
- 経済産業省によるブランデッドムービーへの補助金事業も後押し
- ブランデッドムービーを制作する3つのメリット
- メリット(1)ブランドへの共感が得られる
- メリット(2)拡散が期待でき、より多くの人に届きやすい
- メリット(3)新規顧客やリピーター獲得が期待できる
- ブランデッドムービーを制作するときの注意点
- 目的は明確にする
- 効果は長期的な視点で見る
- ブランデッドムービーの事例5選
- 事例(1)ネスレ日本株式会社「ROASTELIER by NESCAFEブランドムービー」
- 事例(2)SK-Ⅱ「SK-Ⅱ STUDIO:石川佳純「VS プレッシャー」
- 事例(3)BAA「自転車に乗り換えよう」編
- 事例(4)Z会「クロスロード」受験生応援ストーリー
- 事例(5)佐賀県上峰町「ふるさとのにおい」
- ブランデッドムービーを制作するときの流れ
- 目的とコンセプト決め
- 脚本作成
- 撮影・動画編集
- 公開する
- ブランデッドムービー制作の依頼は「hive」へ
- ファン作りにはブランデッドムービーの活用がおすすめ
ブランデッドムービーとは?
ブランデッドムービーとは、企業のブランディング構築を目的として制作された映像のことです。企業が伝えたいメッセージや想いを、ストーリー仕立てにした動画コンテンツなどがこれに当たります。動画を見た人の心を動かし共感を呼ぶことで、企業の「ファン」を増やすことに重きを置いたマーケティング手法として活用されています。
ブランデッドムービーと動画広告の違いは?
ブランデッドムービーと混同されやすい動画コンテンツに動画広告があります。視聴者の感情に訴えかけるブランデッドムービーとは動画制作の目的が異なります。ブランデッドムービーは、ブランドや企業のファンを増やすことが目的の動画なのに対し、動画広告は商品やサービスの魅力をアピールして「購入してもらう」ことを目的とした動画です。また、ユーザーの意思とは関係なく受動的に視聴するのが動画広告であり、見てほしいユーザーに自ら進んで能動的に視聴してもらうのがブランデッドムービーという点も異なります。
企業がブランデッドムービーに注目する理由
ここでは、ブランデッドムービーが注目されている理由について紹介します。
動画市場の拡大
インターネットやスマートフォンの普及により、動画視聴がより手軽になったことで動画市場は大きく伸長しました。YouTubeやSNSで動画を見るのが当たり前になってきている現代において、ネット動画の需要が高まっていることもブランデッドムービーが注目されている理由です。
ブランドへの信用度が重要視される傾向に
消費者が、ブランドの理念や想いに心を動かされて購買に至るケースが増えているのもブランデッドムービーが注目されている理由の一つです。近年ECサイトなども増加し、ネットショッピングなどで商品を購入する人が増えました。購入場所が実際に商品を手にとって試せないオンライン上では、商品の機能性やデザインよりも「ブランドへの信用度」が、商品購入を決めるのに重視される傾向にあります。
経済産業省によるブランデッドムービーへの補助金事業も後押し
2021年4月には、「映像コンテンツの視聴方法がテレビからインターネットに移行する中、企業活動においても、顧客の共感を生むようなブランディングの重要性が増している」として、経済産業省がデジタル配信を念頭に置いた顧客の共感を呼ぶストーリー性のある映像(ブランデッドコンテンツ)の制作・発信の支援として、補助金事業を実施しました。このような国の動きも企業のブランデッドムービー制作を後押しした理由の一つに挙げられます。
現在、この補助金事業は締め切っていますが、このほかにも使える補助金がないか調べてみるとよいでしょう。
(参考:経済産業省『【J-LOD第5弾】企業のブランディングに資するストーリー性のある映像の制作・発信に関する補助金の公募が開始されました』)
ブランデッドムービーを制作する3つのメリット
視聴者の心を揺さぶりファンを増やすブランデッドムービーは、企業にとって有用な動画コンテンツです。どのようなメリットがあるのか紹介します。
メリット(1)ブランドへの共感が得られる
想いや価値観を伝えて企業全体のブランド価値を高めるブランデッドムービーは共感を得やすく、自社のファンを獲得しやすいメリットがあります。ユーザーに寄り添った動画を制作できれば、ユーザーに好印象を与えることができ、企業イメージの向上にもつながります。
メリット(2)拡散が期待でき、より多くの人に届きやすい
共感を呼びやすいブランデッドムービーは、拡散性の高いSNSとも相性のよいジャンルです。視聴者の心に刺さるストーリ性の高い動画が制作できれば、SNSでの拡散が期待でき、多くの人に届けることができます。そのためには、視聴者の心に残るような印象的な内容や感動できるストーリーなど、感情に訴えかけて共感を呼ぶ動画を制作することが重要です。
メリット(3)新規顧客やリピーター獲得が期待できる
ブランデッドムービーは、視聴者が自分ごと化しやすいといった特徴があるため新規顧客やリピーターの獲得が期待できます。「買ってもらう」という単発的な効果を目的とした動画広告とは異なり、ブランデッドムービーはその後も継続して商品をリピート購入してくれたり、新商品や新サービスに対してもポジティブなアクションが期待できたりといった、長期的な効果が得られやすいでしょう。
ブランデッドムービーを制作するときの注意点
利点の多いブランデッドムービーですが、制作する際には注意したい点もあります。
目的は明確にする
企業の想いや理念、メッセージなどを伝えるブランデッドムービーでは、目的を明確にする必要があります。何を伝えたいのか、何をブランディングしたいのかを決めずに制作してしまうと、統一性のない会社紹介動画になってしまいます。企業理念を伝えたいのか、働き方にフォーカスして社風を伝えたいのか、開発チームの奮闘をドラマ仕立てで描きたいのかなど、伝えたい想いはさまざまあるでしょう。軸のブレない効果的なブランデッドムービーにするためにも、具体的なブランドイメージをもって伝えたいメッセージや価値、ターゲットなど詳細まで決めておくことが重要です。
効果は長期的な視点で見る
動画広告のようにリーチやエンゲージメントなどの成果が見えにくく、短期間で利益を求めようとすると費用対効果が得られない可能性があるので注意が必要です。ブランデッドムービーの最終的な目的は、自社のファンを増やして継続的によい関係を築くことです。そのため、見る人を惹きつけるようなストーリー性のある魅力的な動画を制作することが求められます。動画をシリーズ化して配信している企業も多くありますが、ブランデッドムービーは、すぐに効果が出ないと焦らず長期的な視点で反応を見守って行きましょう。
ブランデッドムービーの事例5選
事例(1)ネスレ日本株式会社「ROASTELIER by NESCAFEブランドムービー」
ネスレ日本株式会社の新サービス「ROASTELIER」のブランデッドムービーです。気軽に本格的な自家焙煎のコーヒーを提供できるサービスを、映像とBGM、マシンの動く音のみのシンプルでスタイリッシュな動画に仕上げています。焙煎から豆の購入、販売までをひとつのマシンで提供できる画期的なサービスであるということを映像で上手く伝えている事例です。
事例(2)SK-Ⅱ「SK-Ⅱ STUDIO:石川佳純「VS プレッシャー」
プレステージ合同会社の化粧品ブランド「SK-Ⅱ」が配信しているブランデッドムービーです。全6組のトップアスリートが、自らの運命を左右する様々なプレッシャーに立ち向かう姿を描いた実写とアニメーションによるコンテンツです。プレッシャーに負けそうになりながらも上を目指す石川選手のかっこいい姿が表現されている動画です。
事例(3)BAA「自転車に乗り換えよう」編
一般社団法人自転車協会が配信した、「自転車協会認証」のBAAマークのブランデッドムービーです。アニメーションにオリジナルソングをBGMに挿入してポップな印象でBAAマークについてのイメージ向上や認知拡大を図っている動画です。
事例(4)Z会「クロスロード」受験生応援ストーリー
Z会が配信している、受験生の応援に作られたブランデッドムービーです。動画に登場するZ会の通信教育に取り組んで頑張っている二人の受験生の姿を通して、「一人じゃないよ」というメッセージが込められた動画に仕上がっています。「君の名は。」で知られる新海誠監督とのコラボレーションで、再生回数は1000万回を超えています。
事例(5)佐賀県上峰町「ふるさとのにおい」
佐賀県上峰町が配信している、町の魅力を伝えるブランデッドムービーです。都会から故郷に戻った主人公が、「きっと私にも何かできるはず」と葛藤しながら奮闘する姿が描かれています。ふるさとの良さを感動的なストーリーに込めた動画です。
ブランデッドムービーを制作するときの流れ
実際にブランデッドムービーを制作するときの流れについてみていきましょう。
目的とコンセプト決め
注意点としても前述しましたが、まずはブランデッドムービーを制作する目的や理由を決定します。何をブランディングしたいのかを明確にした上で動画の軸となるコンセプトを決めましょう。この段階で、伝えたいメッセージや世界観をしっかりと決定して制作会社に伝えることが重要です。
脚本作成
動画のストーリーを決めてプロットを作ります。そのプロットを基にシナリオ(台本)を作成し、必要に応じて絵コンテを作成しましょう。シナリオが完成したら、撮影場所の下見、機材や道具の準備のほか、出演者がいる場合はキャスティングを行います。
撮影・動画編集
台本を基に撮影を行います。全てのシーンの撮影を終えたら、それらの素材を使って編集作業に進みます。全体の流れが出来たら、そこに音声やテロップ、特殊効果などを加えて動画を完成させます。
公開する
完成した動画を、動画配信プラットフォームやコーポレートサイトなどで公開します。SNSで拡散を促す投稿をしたり、自社サイトや広告にリンクを設置したりとあらゆるメディアで視聴してもらえるような工夫をすることが大切です。
ブランデッドムービー制作の依頼は「hive」へ
Hive(ハイヴ)は、株式会社No.0が提供する大手広告代理店・大手制作会社が発注している優秀な動画クリエイターを、【直接アサイン】できるシステムサービスです。【「あの動画、そのCM」 Hiveなら “半値” でつくれます。】をコンセプトに掲げています。
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さらに、動画を制作した後の運用までをサポートしてくれるサービスも提供しています。ブランデッドムービーの動画コンテンツ制作を検討している方は、お気軽にご相談ください!
ファン作りにはブランデッドムービーの活用がおすすめ
ブランデッドムービーは、見る人の心に刺さるストーリーを通して企業の魅力や想いを伝え、自社のファンを増やすコンテンツです。視聴者の心に届き、共感を呼ぶ魅力的なブランデッドムービーが制作できれば、長期的な顧客獲得や拡散による宣伝効果など、多くの効果が期待できるでしょう。この記事で紹介したメリットデメリット、制作時の注意点などを押さえた上で、ブランデッドムービーの活用を検討してみてはいかがでしょうか。