アニメーション広告のメリット・デメリット。効果的な作り方のポイントは?

日本国内におけるアニメーション広告の歴史は古く、テレビ放送がスタートした1950年代にはすでにセイコーや三菱電機によって制作されていました。そして今、アニメーション広告は、動画視聴のモバイル化や広告のクロスボーダー化など、現代のスタイルにマッチした広告手法として、脚光を浴びています。今回は、アニメーション広告を活用し、競合優位性を高めるためのノウハウを解説します。

 

目次

  1. You Tubeでも見かける「アニメーション広告」とは
  2. アニメーション広告のメリット
    1. メリット(1)コストパフォーマンスがよい
    2. メリット(2)音がなくても伝わりやすい
    3. メリット(3)さまざまな言語で作成しやすい
    4. メリット(4)出演者のイメージが影響しない
    5. メリット(5)愛着が湧きやすい
    6. メリット(6)情報が伝わりやすい
  3. アニメーション広告のデメリット
    1. デメリット(1)費用と時間がかかる
    2. デメリット(2)ブランドイメージとズレる可能性がある
    3. デメリット(3)リアリティさが出しにくい
  4. アニメーション広告を効果的にする作り方のポイント
    1. アニメーションで“活きる”コンテンツをつくる
    2. クオリティーの高さにこだわる
  5. アニメーション広告事例3選
    1. マルコメ 料亭の味 夏休みの思い出篇 90秒
    2. 新 ペティオ リモナイトラボ 30秒CM(WEB限定)
    3. ぱぴぷっぺぽケイティ
  6. 動画広告にアニメーションを活用しよう

You Tubeでも見かける「アニメーション広告」とは

「アニメーション広告」は、ストップモーションやセルアニメ、3DCGなど、アニメーションの表現技法を用いた広告を指します。「レッドブル」や、花王の「ビオレママ」シリーズは、キャラクターブランディングを活用したアニメーション広告の代表例といえるでしょう。

 

TVはもちろん、YouTubeをはじめとする動画配信プラットフォームでも、日常的にアニメーション広告を目にするようになりました。実際、動画広告市場は年々規模を拡大しており、その中でもアニメーション需要は顕著な高まりを見せています。有名なアニメーションスタジオが手掛けた広告作品がSNSでバズリ現象を起こすなど、今やアニメーション広告は動画文化の中で大きな影響力を持っています。

アニメーション広告のメリット

アニメーション広告の制作・活用には、コスト面や戦略面でさまざまなメリットがあります。一つずつ検証してみましょう。

メリット(1)コストパフォーマンスがよい

アニメーション広告の場合、タレント出演料やロケーション費用などのコストが不要な分、制作に予算を投入できます。また、TVに限らず動画プラットフォームやSNSなど幅広い配信システムと親和性が高いため、視聴回数や視聴時間を伸ばすことが可能です。費用対効果を考えた場合、高いパフォーマンスを期待できる広告手法といえるでしょう。

メリット(2)音がなくても伝わりやすい

アニメーション広告は、無音状態での情報伝達力に優れた広告手法です。動画視聴のモバイル化が進み、移動中やパブリックスペースでミュート視聴するケースが増えてきました。イラストの動きや文字だけで必要な情報を伝えることができるアニメーション広告は、ミュート状態でも訴求力を維持できるため、時代に即した広告手法といえるでしょう。

メリット(3)さまざまな言語で作成しやすい

言語を選ばない点も、アニメーション広告のメリットです。外国語に翻訳した場合、実写よりもアニメーションの方が違和感が生じず、多言語展開に適しています。実際、YKKが制作したショートアニメは、英語やスペイン語、フランス語などに翻訳され、YouTubeなどを介して全世界に公開されました。アニメーション広告を活用すれば、ワールドワイドなブランディングを実現できます。

メリット(4)出演者のイメージが影響しない

広告にタレントを起用する場合、視聴者が抱くタレントイメージと商品やサービスに対するイメージは、良くも悪くもリンクします。さらに、起用タレントに不祥事があった場合は企業イメージまで損ねてしまう懸念もあるでしょう。そのようなリスクを回避し、イメージ通りの世界観を構築できる点も、アニメーション広告の利点です。

メリット(5)愛着が湧きやすい

アニメーションは広告という印象を与えにくく、視聴者に受け入れられやすい傾向にあります。また、イメージ操作の自由度が高く、キュートやスタイリッシュ、アットホームなど、商品に合わせたテイストによって、視聴者にポジティブなイメージを植え付けることが可能です。センシティブな内容の広告も、アニメーションをうまく活用すればネガティブイメージを和らげることができるでしょう。

メリット(6)情報が伝わりやすい

現実ではありえない動きや見えない部分まで表現できるアニメーションは、情報伝達力の高い手法です。実写では伝えにくいサービスの仕組みや特徴も、アニメーションであれば直感的な理解を促すことができます。サービス紹介に限らず、短時間で多くの情報をスムーズに伝達できるというメリットは、幅広いジャンルで活かされています。

アニメーション広告のデメリット

アニメーション広告制作にあたっては、デメリットも把握しておく必要があります。下記のデメリットを克服できるか否かが、アニメーション広告戦略のカギとなります。

デメリット(1)費用と時間がかかる

アニメーション広告の制作には、実写以上の費用と時間を要する場合も少なくありません。アニメーション動画制作ツールを活用して内製するという方法もありますが、質の担保が課題となります。制作会社に外注する場合、例としてシンプルな2Dアニメーションであれば100万円以下、3DCGの場合、300万円以上の費用が発生するケースもあります。

 

制作期間も数か月間を要するため、多くのコストと時間を要するプロジェクトだということを念頭に置く必要があります。

デメリット(2)ブランドイメージとズレる可能性がある

イメージ操作の自由度が高いという特徴は、時に諸刃の剣となります。商品やサービスの特性と合致したアニメーション広告はブランドイメージの定着を実現できますが、アニメーションのテイストが、商品の特性やターゲットから外れてしまう可能性も大いに考えられます

 

それを回避するためには、適正なクリエイターを選定し、十分なすり合わせを行うことが必要です。アニメーションの修正には膨大な労力が必要となるため、綿密なコミュニケーションによって方向性を定めなければなりません。

デメリット(3)リアリティさが出しにくい

フードのシズル感やサービスのホスピタリティなど表現にリアリティが求められる場合は、アニメーションよりも実写に分があります。それでもアニメーションを用いるなら、写実的な表現を駆使するか、比喩的な表現で視聴者のイメージを膨らませるなど、高度なテクニックが必要です。

アニメーション広告を効果的にする作り方のポイント

アニメーション広告を効果的に機能させるためには、以下の2点に注意しましょう。

アニメーションで“活きる”コンテンツをつくる

アニメーション広告は、サービス紹介やブランドイメージ定着に有効といわれていますが、実写表現の方がふさわしい商品やサービスもあります。自社商品をPRするにあたって、アニメーション表現と実写表現とでどのような違いが生まれるか、あるいは実写とアニメーションの合成映像がよいのか、シミュレーションを行いましょう。アニメーションを適材適所に活用して、商品の魅力が“活きる”広告を制作することがポイントです

クオリティーの高さにこだわる

アニメーション広告によって企業イメージ向上を図るなら、クオリティーの担保は必須条件です。しかし、アニメーションに凝ったからといってクオリティーを高められるとは限りません。

 

3DCGをフル活用したアニメーションであっても、シンプルな線画イラストアニメーションであっても、クリエイティビティを感じる作品であれば視聴者の記憶に残ります。創造性豊かな制作会社やクリエイターとタッグを組んで、質の高い作品を創り上げましょう。

アニメーション広告事例3選

アニメーション広告の事例を3つピックアップしました。テイストは異なりますが、いずれも繰り返し視聴したくなる魅力を備えています。制作の参考にしてみてはいかがでしょうか。

マルコメ 料亭の味 夏休みの思い出篇 90秒

株式会社マルコメが40年目の節目に制作したアニメーションCMです。「家族をつなぐお味噌汁」をテーマに募集したエピソードをもとにアニメーションを制作しています。夏休みの思い出のなつかしさと家族の想いを描いたアニメーション広告です。

新 ペティオ リモナイトラボ 30秒CM(WEB限定)

キャラクターのコミカルな動きと歌で笑いを誘うアニメーション広告。「便臭を減らせる」という製品特性を、リアリティを交えずライトにアピールしています。アニメーションならではのインパクトと情報性を兼ね備えた作品です。

ぱぴぷっぺぽケイティ

KKT熊本県民テレビが、新キャラクター紹介のために制作したアニメーション広告です。テロップにあわせて思わず口ずさんでしまう曲とポップなアニメーションがマッチしています。愛着を抱きやすいキャラクターによって、企業イメージをアップしています。

動画広告にアニメーションを活用しよう

アニメーション広告は、セールスプロモーションにおいてもブランディングにおいても利用価値の高い手法です。制作上のポイントを押さえて、メリットを最大限に活かしましょう。

 

クオリティーを担保するなら、実績のある制作会社に依頼することをおすすめします。「hive(ハイヴ)」には、全国から選抜した優秀なアニメーションクリエイターが在籍。アニメーション広告の制作を検討する際はお問い合わせください。