採用サイトを制作し採用強化を図ろう。デザインのポイントや特徴を解説

企業の将来を左右する採用活動において、近年重要なポジションを占めているのが採用サイトです。コーポレートサイトとは別に、リクルートに特化したサイトを制作することで、求める人材にダイレクトにアプローチし、母集団形成を効果的に行うことができます。成果を上げるためには、企業情報と採用情報を盛り込めばよいというものではありません。採用サイトを活用して人材獲得を成功に導くためのコツをご紹介します。

 

目次

  1. 採用サイトとは
    1. 採用サイトを作るメリット
  2. 採用サイトデザインのポイント
    1. ターゲットやコンセプトを明確にする
    2. 写真やイラストで情報を伝わりやすくする
    3. トレンドと自社のブランドイメージを押さえたデザインにする
    4. エントリーボタンを押しやすい位置に配置する
  3. 制作時に押さえたい響く採用サイトの特徴
    1. 共感しやすいキャッチコピー
    2. 求める人材が明確
    3. 社風をイメージしやすい動画コンテンツ
    4. 操作性に優れたデザイン
  4. おすすめの採用サイトデザイン事例8選
    1. 「株式会社講談社」の採用サイト
    2. 「株式会社リクルート」の採用サイト
    3. 「警視庁」の採用サイト
    4. 「株式会社電通」の採用サイト
    5. 「株式会社ウェルモ」の採用サイト
    6. 「東映株式会社」の採用サイト
    7. 「タカラトミーグループ」の採用サイト
    8. 「ヤマハ株式会社」の採用サイト
  5. 求職者に響く採用サイトを作り応募獲得につなげよう

採用サイトとは 

採用サイトとは、コーポレートサイトとは別に、採用活動に特化して制作するWebサイトのことです。新卒採用だけでなくキャリア採用向けの採用サイトも数多く制作・公開されています。オンラインでの情報収集が主流となった近年、採用サイトは人事活動の中心に位置する採用ツールといえるでしょう。

採用サイトを作るメリット

採用サイトは、オフラインでの採用活動や求人広告サイトと比較して、どのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリットとして、下記の4点が挙げられます。

 

 

 ・オンラインでの情報収集が当たり前となっている若者層の採用に有効

 ・オリジナルサイトであるため文字数やレイアウトの自由度が高い

 ・掲載料が不要なため初期投資後のランニングコストが低く、費用対効果が高い

 ・企業情報を集約したサイトとなるため、新たな集客ルートを形成できる

 

 

採用サイトデザインのポイント

採用サイトが人材獲得に向けて有効に機能するためには、ターゲット設定や導線、トレンドなど、いくつかのポイントに留意しながら設計する必要があります。以下のポイントを押さえて、成果の上がる採用サイトを制作してください。

ターゲットやコンセプトを明確にする

採用サイト設計の第一段階として、ターゲットの明確化は必須です。新卒かキャリアか、理系か文系かという区分にとどまらず、具体的なペルソナをイメージしましょう。性格や趣味、活動、ライフワークバランス、嗜好など、一つひとつ文書化してみると、訴求すべきターゲット像が浮かび上がってきます。制作を複数のスタッフで分業する場合、ペルソナ像を共有することで、デザインや構成のブレが少なくなります。「知的好奇心に溢れたペルソナに向けて業界のコアな情報を盛り込んでみる」、あるいは「快活な性格のペルソナを惹きつけるためサイトデザインを明るい色調で統一する」など、ターゲット像に基づいて制作することで訴求力が高まります

写真やイラストで情報を伝わりやすくする

求職者に自社の魅力をあますところなく紹介するとともに、求職に対する熱意を伝えるためには、ある程度の情報量が必要となってきます。企業ポリシーをはじめとする企業情報や、福利厚生制度などの採用情報、求職者に向けたメッセージなどが構成の主軸です。ユーザーが情報量の多さに辟易して離脱しないよう、画像やイラストなどの素材を駆使してスムーズな情報伝達を図りましょう。画像やイラストはオリジナル性と画質にこだわる必要がありますが、表示スピードが遅くならないよう、容量に注意する必要があります。

トレンドと自社のブランドイメージを押さえたデザインにする

採用サイトは、「ターゲットに響く」と同時に、「自社ブランドイメージを表現」したデザインでなければなりません。デザインは必ずしもコーポレートカラーに準ずる必要はありませんが、企業文化を視覚的に掴んでもらえるデザインを追求しましょう。たとえば、銀行など信頼感を重視する企業であれば、縦書きレイアウトや余白の多用等によって落ち着いた雰囲気を演出します。エンターテインメント企業であれば、アニメーションアイコンやスクロールエフェクトなどを用いて遊び心を表現するとよいでしょう。

 

また、トレンド性も重要な要素です。古色蒼然としたデザインは、求職者に「先進性のない企業」「ビジネストレンドを理解していない企業」という印象を与えかねません。トレンドの傾向として、キャッチーなコピーや、パララックスといった視覚効果、オフィス環境が伝わる動画の導入などが挙げられます。これらのトレンドアイテムは、ブランディングだけでなくサイト回遊率の向上にもつながりますので、上手に取り入れたい要素です。

エントリーボタンを押しやすい位置に配置する

採用サイトのゴールは「人材獲得」ですので、エントリーボタンが見やすく・押しやすく配置されていることは必須条件です。エントリーボタンは他のボタンよりもサイズアップし、アクセントカラー等を使用して目を引くデザインにしましょう。位置も重要です。グローバルナビに固定する、あるいはスクロールすると追従してくる仕組みにすると、導線がスムーズでユーザーのアクションにつながります。

制作時に押さえたい響く採用サイトの特徴

求職者は一度に多くの採用サイトを閲覧するケースが多く、一つひとつのサイトの印象は薄れがちです。求職者の記憶に残るために必要なもの、それは「共感」です。「自分はこの企業に求められている」「この企業は自分の方向性に合っている」と感じてもらうことができれば、自ずと人材獲得につながるでしょう。ここでは、求職者の心をつかむ採用サイトの特徴をピックアップします。

共感しやすいキャッチコピー

成果を上げている採用サイトの多くが、ターゲットの共感を呼ぶキャッチコピーを掲げています。ペルソナ像を整理し、方向性やキャラクターに合ったキャッチコピーを作成しましょう。海外志向を持つペルソナに対してはグローバルな視点を取り入れたり、人間関係を重視するペルソナに対しては温かみのあるキャッチコピーを作成したり、ペルソナ像にリンクしたキャッチコピーを検討しましょう。

求める人材が明確

広く門戸を開く採用サイトより、一定のターゲットに向けてスポット的にアプローチする採用サイトの方が、求職者の心に刺さりやすい傾向があります。どのような人材を求めているかを、サイト内で明確に表示するようにしましょう。たとえば、求める人物像に似た社員のインタビューや紹介記事を掲載するのも一つの方法です。求職者は“入社後の自分”をイメージしやすくなり、スムーズな内定や早期離職の予防につながるでしょう。

社風をイメージしやすい動画コンテンツ

社風をイメージしやすい動画コンテンツも、ターゲットの共感を誘います。たとえば、実際の職場環境が分かるオフィスツアーや、仕事に対する想いが伝わるインタビュー、社員同士の人間関係が伺える社員座談会など、さまざまな手法が考えられます。動画コンテンツは活字の企業情報に比べると格段に社風が伝わりやすく、求職者にとってその企業が自分の肌に合っているか否かの判断基準を下しやすくなります。

 

 

操作性に優れたデザイン

操作にストレスのかかる採用サイトは、スムーズな情報収集を望む求職者を早期離脱させてしまいます。一方的な音声再生や自動スクロール、唐突なコンテンツの切り替えなどの仕掛けは避け、UIを追求します。あくまでも求職者目線で、知りたい情報にスムーズにアクセスできる導線を心がけましょう。新卒採用や若年層がターゲットの場合、スマートフォンで閲覧する求職者が多いため、携帯端末での動作も確認します。

おすすめの採用サイトデザイン事例8選

どのような採用サイトが多くの閲覧数を集めているのか検証するため、実例をピックアップしてみましょう。自社のコンセプトに近い事例があれば、デザインや構成の参考にしてみてはいかがでしょうか。

「株式会社講談社」の採用サイト

多種多様な「とんがり人間」という採用コンセプトを、個性的な人物のイラストで表現しています。アニメの登場人物が会社の歴史や現状を解説するというユニークな動画コンテンツも話題に。

https://recruit.kodansha.co.jp/2023/

 

「株式会社リクルート」の採用サイト

「株式会社リクルート」の新卒者向け採用サイトです。「人と情報をつなぐメディア&ソリューションカンパニー」という社の方向性を、トップ画像で端的に表しています。質問形式の会社説明動画など、社風を伝えるコンテンツが充実しています。

https://www.recruit-jinji.jp/?vos=recruit-jinji.jp

「警視庁」の採用サイト

トップページにムービーを配置し、ファーストビューで訪問者を惹きつける工夫がなされています。ドラマティックなインタラクティブムービーや、インフォグラフィックスを活用したセミナー動画など、多様な動画コンテンツもアップされています。

https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/saiyo/2021/

「株式会社電通」の採用サイト

モーションのあるアイコンなど、思わずクリックしたくなる仕掛けによって回遊率を高めています。オフィスで撮影されたインタビュー動画は、社員の情熱や職場環境が伝わる内容となっています。

https://www.career.dentsu.jp/recruit/2023/

「株式会社ウェルモ」の採用サイト

「愛や徳を大切にする人間らしい温かみのある社会」を目指し、AIを活用した福祉プラットフォームサービスを提供する企業の採用サイトです。代表取締役CEOの対談動画等によって、企業ビジョンを紹介しています。

https://careers.welmo.co.jp/

「東映株式会社」の採用サイト

映画の製作・配給・興行を手掛ける「東映株式会社」の新卒者向け採用サイトです。キャッチーなコピーを散りばめたり、トップページに映画のオープニング動画を埋め込んだりと、インパクトのあるトップページが印象的です。

https://www.toei.co.jp/company/recruit/fresh/

「タカラトミーグループ」の採用サイト

「きみはおもちゃが好きか?」というキャッチコピーが目を引く、「タカラトミーグループ」の採用サイトです。コンセプトムービーのほか、総合・技術・管理など業種ごとのインタビュー動画がアップされています。

https://www.takaratomy.co.jp/company/recruit/

「ヤマハ株式会社」の採用サイト

モノトーンを基調としたデザインによって、動画コンテンツのサムネイルを目立たせたデザイン。BGMや構図、編集ともハイクオリティな動画によって、企業の技術力の高さを連想させる仕上がりです。

https://www.yamaha.com/ja/recruitment/new_graduates/about_yamaha/challenge/

求職者に響く採用サイトを作り応募獲得につなげよう

採用サイトのメリットについてお分かりいただけたでしょうか。明確なコンセプトに基づいて制作された採用サイトは、母集団へのダイレクトなアプローチが可能です。この記事を参考に、訴求力の高い採用サイトを制作し、理想的な人材確保を実現してみてはいかがでしょうか。