採用動画を制作する効果や作成ポイントを紹介<新卒・中途採用動画事例つき>
2022 04.25
近年、人材募集・採用に動画を活用する企業が増加しています。採用動画が広く普及している背景には、SNSで情報収集を行う求職者が増えたことや、感染症拡大により対面型の採用活動が難しくなったことなどが挙げられます。採用動画にも目的に応じてさまざまな種類があり、メリットや制作プロセスも各々異なります。そこで今回は、採用動画の効果的な活用法や制作法について、事例を交えてご紹介します。
目次
- 採用動画とは
- 企業が活用できる採用動画の種類
- ブランディング・コンセプト動画
- 会社紹介動画
- 採用説明会動画
- 社員インタビュー動画
- インタラクティブ動画
- 採用に動画を活用する4つのメリット
- メリット① 求職者に覚えてもらいやすい
- メリット②採用のミスマッチが起こりにくい
- メリット③採用業務の効率化が図れる
- メリット④求職者の不安を軽減できる
- 効果的な採用動画を制作するためのポイント
- ターゲットを明確にし、採用動画の訴求内容を決める
- 目的に合わせ、活用フェーズにあった動画作成をする
- 【新卒・中途】採用動画の事例
- 新卒採用向けの動画事例
- 中途採用向け動画の事例
- 採用動画の制作費用を抑えるコツ
- 企業の採用でも動画活用がトレンドに
採用動画とは
採用動画とは、企業や団体が人材募集や採用を目的に制作する動画コンテンツのこと。スマートフォンの普及や感染症拡大など、さまざまな社会情勢の影響を受けて、企業の採用活動はライブ配信の説明会や非接触型の面接など、オンラインが主流になりつつあります。就活生の中にも、採用活動中に動画視聴をした経験のある人もおり、それによって志望度が上昇したというケースも見受けられます。SNS上で高い評価を受けた採用動画は多くの求職者に拡散されるケースもあり、採用活動を効果的に進めるためのツールとなりえます。
企業が活用できる採用動画の種類
採用動画は、目的や活用シーンに応じてさまざまな種類のコンテンツが制作されています。主流となっているコンテンツや、今話題のコンテンツをご紹介しましょう。
ブランディング・コンセプト動画
まず、企業がイメージ戦略などに用いる「ブランディング・コンセプト動画」があります。概要や募集要項には触れず、企業カルチャーやビジョンといった抽象的な概念を伝える動画です。「心に響く」動画を発信することで求職者の興味喚起を促すことができれば、求職の導入口としての役割にもなるでしょう。また、ドキュメンタリー形式によって企業の想いを可視化したり、CGを用いて将来のビジョンを描出したりと、自由な表現で求職者に訴えかけることもできます。企業の個性を打ち出しやすく、他社との差別化を図りやすいコンテンツです。
会社紹介動画
企業の業務内容や職場環境など、実際的な情報を伝えるコンテンツが「会社紹介動画」です。社長が企業理念や社史等を説明するプレゼン動画であったり、職場環境を疑似体験できるオフィスツアー動画なども会社紹介動画に含まれます。自社独自の商品やサービスを深堀りしたり、自社独自の制度や社会貢献活動を紹介したりと、さまざまな角度から切り取ることができるため、就職した際の職場環境や業務内容をイメージしてもらうことも可能です。求職者の志望度上昇に有益なコンテンツといえるでしょう。
採用説明会動画
オンライン上で説明会を開催する場合、求職者とのファーストコンタクトとして、重要な位置を占める「採用説明会動画」が有用です。ライブ配信型もありますが、録画配信型であれば繰り返し流用できます。動画作成時には、企業は他社との差別化を図りながら、事業内容や募集要項などの必要事項を端的にまとめる工夫が必要です。求職者にとっても説明会参加のための移動コストや身だしなみへの配慮が不要なため、説明会への参加人数を増やしたいときにも有効なコンテンツとなるでしょう。
社員インタビュー動画
働く人にフォーカスした「社員インタビュー動画」は、求職者に“未来の自分”を想起させるコンテンツです。また、現場のリアルな声は、求職者の不安や疑問を払拭する一助となりえます。ベテラン社員のインタビューによって企業スピリットを表現したり、入社一年目の経験談を紹介することで新卒者のエントリーを後押ししたり、新卒・中途採用いずれのケースでも活用可能です。また、インタビュー形式の動画であればさほどクリエイティブ性にこだわる必要がなく、スマートフォン撮影でも制作が可能です。多くの企業がトライしやすいコンテンツといえるでしょう。
インタラクティブ動画
近年、採用動画のトレンドのひとつとなっているのが「インタラクティブ動画」です。インタラクティブには「双方向の」という意味があり、視聴者側は受動的に視聴するだけでなく、クリックなどの能動的なアクションを起こすことができます。アクションによって新たな映像やストーリーが展開するため、求職者の記憶に残りやすく、企業と求職者のコミュニケーションを深めるツールとなりえます。従来の動画と比較すると制作工程が増える可能性はありますが、コンバージョンにつながりやすいという利点もあるでしょう。
採用に動画を活用する4つのメリット
採用動画には、紙媒体による人材募集や対面型の採用活動にはない利点があります。その中から、特筆すべき4つのメリットをピックアップします。
メリット① 求職者に覚えてもらいやすい
静止画や活字のコンテンツに比べ、動画コンテンツは求職者の記憶に残りやすく、企業の認知度向上につながるというメリットがあります。動画は、視覚だけでなく聴覚にも働きかけるため、多くの情報をスムーズに伝達できるコンテンツです。特に新卒採用の場合、対象者は動画への親和性が高い若年層なので、動画での訴求もしやすいでしょう。
メリット②採用のミスマッチが起こりにくい
動画コンテンツは、企業と求職者間のイメージの摺り合わせに効果を発揮します。静止画だけでは伝わりにくい職場の雰囲気や、在職者の生の声を発信することで、求職者は入社後の働き方をイメージし、企業文化に馴染めるか否かという判断がしやすくなるでしょう。それにより、入社前の期待と入社後の現実とのギャップが生じにくく、早期離職の防止につながります。入社のメリットだけでなくデメリットも伝えることで、求職者は企業に対する信頼を抱くことができるでしょう。
メリット③採用業務の効率化が図れる
オフラインでの採用活動の場合、大量のパンフレットを作成したり、各地で説明会を開催したりと、制作費や人件費が必要となります。しかし、動画を活用すれば動画作成時の初期投資後のコストダウンが可能です。求める母集団に動画を発信すれば、似通った属性の応募者の間で動画がシェアされるため、経費や手間を省きながら採用活動を展開できるでしょう。また、工数削減によって担当者に時間的な余裕が生まれ、求職者に対するパーソナルな対応が可能となります。
メリット④求職者の不安を軽減できる
求職者が抱える不安の多くは、「企業の内情がわからない」ことに起因しています。紙面での紹介や口頭での説明と比べ、採用動画は企業の姿をありのまま発信できるという利点があり、求職者の不安軽減やエントリーの後押しに役立てられるでしょう。また対面型の説明会であれば、服装やマナーに気を遣うあまり儀礼的になってしまいがちですが、採用動画の場合、求職者が平常心で説明会や面接に臨みやすくなります。そのため、採用担当者と求職者のコミュニケーションも円滑に進みやすいという利点があります。
効果的な採用動画を制作するためのポイント
採用動画の場合、企業側が納得するコンテンツを制作するのではなく、求職者が求める情報を的確に発信する必要があります。多くの求職者に興味喚起を促し、的確なマッチングを実現するため、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
ターゲットを明確にし、採用動画の訴求内容を決める
採用動画制作フローの第一段階は、母集団形成です。まず自社の戦略と課題を明確にし、それを推し進めるために必要な人物像を明確化します。その人物像が興味を抱き、行動を喚起するのはどのような動画なのかをイメージしながら訴求内容を固めましょう。新卒向けか中途採用向けかによっても、人物像の年齢層や指向は大きく異なります。ターゲットを明確化するにあたって、在職者を対象に応募の経緯や理由などをヒアリングするのもひとつの方法でしょう。
目的に合わせ、活用フェーズにあった動画作成をする
採用活動には、募集・面接・内定フォローなどの段階があり、採用動画をどのフェーズに活用するかで訴求内容は異なります。募集段階であれば、母集団にフックするブランディング・コンセプト動画などによって、認知機会を創出できるでしょう。内定後であれば、社長インタビュー動画などによって採用者のエンゲージメントを向上する手法があります。「認知」「企業理解」「内定辞退防止」など、目的に応じた採用動画を制作しましょう。また、活用フェーズによって公開時期は異なりますので、スケジュールを逆算して制作にとりかかる必要があります。
【新卒・中途】採用動画の事例
今や多くの企業が採用動画を活用し、人材採用を成功に導いています。成功事例を視聴して、撮影スタイルや演出、ナレーションなどの手法を制作の参考にしてみてください。
新卒採用向けの動画事例
新卒採用者向けの採用動画の実例です。企業毎の個性を活かしながら、目的や活用シーンに応じて、多種多様なコンテンツが制作されています。
【社員インタビュー動画】株式会社サイバーエージェント
在職者が仕事に対するモチベーションややりがいについて語るインタビュー動画を多く取り入れることで、「挑戦できるカルチャー」という企業コンセプトや、女性が活躍できる社風が伝わるコンテンツとなっています。オフィスツアーの要素も巧みに盛り込まれています。
【ブランディング・コンセプト動画】株式会社やずや
https://www.yazuya.co.jp/dna/movie/movie/promotion-movie.mp4
企業コンセプトを端的に伝える採用動画です。企業概要や募集要項などは割愛したシンプルな構成で、ユーザーの印象に残りやすい演出がなされています。
【職務紹介動画】警視庁
https://webseminar.jobtv.mynavi.jp/-site_media/media/content/6102/11/index.html
建築や航空機械技術など、職種ごとにチャプター分けされており、求職者は希望職種の動画にスムーズにアクセスできます。ナレーションや映像、テキストを組み合わせることで、実務的な内容を分かりやすく紹介しています。
中途採用向け動画の事例
中途採用の求職者をターゲットとした採用動画の実例です。転職希望者の年齢層やライフスタイルを意識した訴求内容となっています。
【中途採用社員インタビュー】JR東日本
https://www.youtube.com/watch?v=8phZ0GmuqDA&feature=youtu.be
社員のインタビューを中心に構成しています。他業種から転職する際の不安や、業務によって得た新たな喜びなどに触れ、中途採用者のやりがいが伝わってくるコンテンツに仕上げています。
採用動画の制作費用を抑えるコツ
採用動画の制作にかかる費用は、訴求内容や制作手法によって大きく異なり、相場は30万~500万円といわれています。企業としてはコストを抑えつつ、高い費用対効果を得ることも重要視するポイントではないでしょうか。制作費用を抑えるコツには以下のようなものがあります。
1.撮影場所を少なくする 2.自社オフィスで撮影する 3.尺を長くしすぎない |
撮影場所が多くなればなるほど移動コストや人件費がかさんできます。複数の場所を紹介したい場合、動画だけでなく静止画のスライドショーを取り入れることも検討してみるといいでしょう。また撮影場所に自社オフィスを使用すれば、撮影スタジオの利用料や設営費用等のカットも可能です。この他、動画の尺(時間)が長くなると、その分、工数が増え、撮影費用や人件費が発生するため、訴求内容に優先順位を付け、適切な尺に収めるようにしましょう。
企業の採用でも動画活用がトレンドに
企業の採用活動において、採用動画の活用シーンは年々増え続けています。それは大企業に限らず、中小企業も例外ではありません。ターゲットや目的を的確に捉えた採用動画を制作できれば、採用活動の効率もアップすることが期待できます。今回の記事を参考に、採用活動に動画を取り入れてみてはいかがでしょうか。