インタラクティブ動画はユーザー参加型の動画のこと。作り方から導入事例まで解説
2022 06.11
インタラクティブ動画とは、動画内にクリックやタップなどのアクションを促す仕組みを組み込んだユーザー参加型の動画のこと。日本でも、インタラクティブ動画をマーケティングに活用する企業が増えつつあります。この記事では、インタラクティブ動画の概要から活用方法、制作方法までを事例と合わせて紹介します。
目次
- インタラクティブ動画とは
- インタラクティブ動画の仕組み
- インタラクティブ動画が注目される背景
- インタラクティブ動画の活用シーン
- 販売促進・プロモーション
- 採用活動
- チュートリアル(解説動画)
- インタラクティブ動画の導入事例
- 販売促進・プロモーションの事例:「HONDA『The Other Side』」
- 採用活動の事例:「中央交通株式会社」
- チュートリアルの事例:「株式会社リビエラ」
- インタラクティブ動画の効果やメリット
- エンゲージメントを高められる
- コンバージョンにつながりやすい
- 操作性があるため印象づけられ
- インタラクティブ動画の作り方
- HTML5を使用する
- Adobe Captivateを利用する
- プラットフォームを活用する
- YouTubeで制作する
- インタラクティブ動画の制作はプロへ依頼できる
- インタラクティブ動画を活用し動画のインパクトを強めよう
インタラクティブ動画とは
インタラクティブ動画とは、動画内にクリックやタップなどのアクションを促す仕組みを組み込んだユーザー参加型の動画のこと。「インタラクティブ」とは、対話型や双方向的という意味をもち、お互いにやり取りできる状態を指します。メディアコンテンツでは、ユーザーのアクションによって内容が変化することを「インタラクティブである」と表現しています。一般的な動画では、情報は配信者からユーザーへ一方的に伝えられますが、インタラクティブ動画では、ユーザーもその動画に対してアクションでき、双方向でのやり取りが可能です。ユーザーの能動的な体験が、結果として印象に残りやすいという特徴があります。
インタラクティブ動画の仕組み
インタラクティブ動画では、動画の中でストーリーを分岐させたり、設定されたリンク先へ移動させたりする要素を組み込みます。ストーリーに沿って物語を進めるRPGゲームのように、ユーザーが選んだ選択肢によってその後のストーリーが変化していく仕組みもその一つです。ユーザーが興味に合わせて取ったアクション(選択)によりコンテンツの最適化を図り、配信側とユーザーの双方向でのやり取りを促します。
インタラクティブ動画が注目される背景
海外では多くの企業が活用しているインタラクティブ動画ですが、日本国内でも注目を集め、だんだんと広がりをみせています。その主な理由としては以下のものがあります。
・インターネットとスマートフォンの普及 ・5G回線の開通 ・プラットフォームの増加 ・クリエイターの増加 |
日本国内では、人口の7割以上もの人がスマートフォンを利用している現代において、動画視聴は当たり前のものになりました。5G回線により容量の大きい動画もストレスなく視聴でき、より楽しい動画のニーズが高まっていると言えます。
YouTubeやInstagram、Twitterなど、動画を視聴できるプラットフォームも増えており、リアルタイムで行うライブ配信もよく見かけるようになりました。このような技術の進歩も相まって、ユーザーが参加できる動画コンテンツの需要は増加傾向にあります。それに伴い、ユーザーを惹き込み、注目を集めるクオリティの高い動画を制作できるクリエイターが必要とされ、技術力の高いクリエイターも増加しています。
インタラクティブ動画の活用シーン
インタラクティブ動画は、さまざまな場面で活用されています。ここでは、3つの活用シーンについて紹介します。
販売促進・プロモーション
インタラクティブ動画は、動画を通して伝えたい情報をより的確に伝えられることから、販売促進やプロモーションに多く活用されています。能動的なアクションを重ねることでユーザーの理解を深め、記憶にも残りやすくなるので、認知拡大に役立ってくれるでしょう。
採用活動
採用活動にもインタラクティブ動画は活用されています。ゲーム要素をもたせた会社紹介動画を制作すれば、若い世代でも楽しみながら会社を知ることができ、好感を持ってもらえるでしょう。動画内に、コーポレートサイトや求人情報のWebページへのリンクを出すなどの仕掛けを組み込むのも一つの手です。ユニークなインタラクティブ動画を制作できれば、SNSで拡散され注目を集めることも期待できます。
チュートリアル(解説動画)
インタラクティブ動画は、商品やサービスの使い方を解説するチュートリアルとしても活用できます。商品やサービスのさまざまな利用シーンを想定した解説動画をインタラクティブ動画にすることで、ユーザーが自分ごと化してイメージしやすいというメリットがあります。困った時の対処法や商品のよりよい活用方法など、ユーザーに伝えたいハウツーをより具体的に提供できるでしょう。
インタラクティブ動画の導入事例
販売促進・プロモーションの事例:「HONDA『The Other Side』」
HONDA「シビック」のブランディング動画です。タップによって内容が切り替わる「スイッチング」と呼ばれている機能が用いられており、一つの動画で二面性を表現できるのが特徴です。この動画では、HONDAの「シビック」を「父親が家族を乗せる車」から「警察官が覆面捜査で操縦する車」までを幅広く見せている事例です。一回の再生で全てを見ることができないため、つい繰り返し見てしまう新感覚の動画となっています。
採用活動の事例:「中央交通株式会社」
つばめタクシーグループの中央交通株式会社の採用動画です。社長と船の上で釣りをしながら面接を行うというユニークな「釣り部採用」を通して、要所で行動の選択肢が提示されます。視聴完了と共にエントリーページへと誘導するインタラクティブ動画です。
チュートリアルの事例:「株式会社リビエラ」
結婚式場内の各施設やプランについての情報などを、ウェディングプランナーが詳しく説明しているインタラクティブ動画です。マークをタップすると詳細情報が表示されるので、ユーザーが欲しい情報をすぐに閲覧できます。動画内で料金プランの確認やフェアの予約、問い合わせまでを完結できるため、商談の役割も担っています。
インタラクティブ動画の効果やメリット
インタラクティブ動画にはどのような効果やメリットがあるのでしょうか。以下で詳しく紹介していきます。
エンゲージメントを高められる
ユーザーとの対話や双方向のやり取りができるインタラクティブ動画では、高いエンゲージメントが期待できます。単なる視聴に留まらず、ユーザーが自ら選択して操作できるため、これから展開される内容に興味を惹かれるでしょう。ユーザーによるアクションを適切なタイミングで促すことで動画視聴の離脱を防ぎ、結果としてエンゲージメントの向上に役立ちます。
エンゲージメントは、企業やその商品・サービスに対する興味や理解度の度合いを示すものであり、購買へとつなげるための重要な指標です。インタラクティブ動画を見ることで商品の理解度や購買意欲の向上を図り、最終的な目的に対するエンゲージメントを高めるのが最大のメリットと言えるでしょう。
コンバージョンにつながりやすい
インタラクティブ動画には、コンバージョン率を引き上げる効果があります。視聴しながら自らアクションを起こせるインタラクティブ動画には、理解度を深めやすい特徴があるためです。企業の商品やサービス、ブランディングに対しての理解が進むことで、結果として資料請求や購買といったコンバージョンの成立を促します。
操作性があるため印象づけられる
インタラクティブ動画は、その特徴でもある「操作性」により動画を視聴者に強く印象づけてくれます。動画のストーリーに参加しながらアクションを促すことで、ゲームのような体験をユーザーに提供できます。一般的な動画と比べ、エンターテイメント性の高い動画にできるため、企業独自の世界観を表現でき、他社との差別化も図れるでしょう。企業が伝えたいメッセージの理解を深め、企業の商品やサービス、企業理念などをユーザーと共有できるのもインタラクティブ動画の魅力と言えます。
インタラクティブ動画の作り方
インタラクティブ動画を作成できるツールやサービスを紹介します。
HTML5を使用する
インタラクティブ動画では、Webページを作成するために開発された言語「HTML5」を使用します。HTML5はブラウザや媒体を選ばないため、HTML5が設置できるならどこでも埋め込んで視聴できるのが特徴です。専用のソフトなどを使わず、コードを使用して簡易的にインタラクティブ動画を作ることができます。
Adobe Captivateを利用する
動画制作ソフト「Adobe Captivate」を使えば、より簡単にインタラクティブ動画が制作できます。「Adobe Captivate」では、インタラクティブ動画に必要となるHTML5のコードやJS(JavaScript)など専門的な知識がなくても、直感的な操作が可能なインターフェースによりインタラクティブ動画を制作することができます。
プラットフォームを活用する
プラットフォームを活用してインタラクティブ動画を制作するのも一つの方法です。以下におすすめのプラットフォームを紹介します。企画・制作から配信後の効果測定までを一括してサポートしてくれるサービスもあるので、自社のニーズに合ったプラットフォームを選びましょう。
プラットフォーム | 特徴 |
1.DOOONUT | ・インタラクティブ動画の制作から管理、効果測定まで一括管理 ・さまざまな媒体のデータを管理可能 |
2.MIL | ・知名度が高い ・大手企業の導入実績が多数 ・企画から配信後の分析までをサポート |
3.WIREMAX | ・海外らしいユニークな事例が多数 ・IKEAなど海外の大手企業の実績あり ・活用業界が幅広い |
4.freely | ・ドローンや最新技術を駆使 ・問い合わせ窓口の設置も可能 |
YouTubeで制作する
Googleが無料で提供するYouTube Studioを活用しての、インタラクティブ動画制作も可能です。通常の動画に、インタラクティブ動画の要素となる「カード機能」や「終了画面機能」などを挿入することで、関連コンテンツやリンクを好きなタイミングで表示できます。
インタラクティブ動画の制作はプロへ依頼できる
インタラクティブ動画の制作方法について紹介しましたが、初心者がコードからインタラクティブ動画を制作するのはやはり難しいでしょう。動画制作会社に依頼することをおすすめします。また、映像内にアクションを起こす仕掛けを作るインタラクティブ動画の制作を依頼する場合、より専門的な知識が必要となるため、依頼先の選別も必要となります。
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インタラクティブ動画を活用し動画のインパクトを強めよう
近年、日本でも多くの企業がマーケティングに活用し始めているインタラクティブ動画。従来の見るだけの動画ではなく、動画のストーリーに自ら参加することでゲームのような体験が楽しめる参加型動画です。ユーザーの心に強く印象づけるインタラクティブ動画を活用して、エンゲージメントやコンバージョンの向上に役立てましょう。