研修動画には多くのメリットが。作り方の流れや作成のポイントを解説
2022 05.29
研修動画は、新人研修や社内勉強会、自社商品の解説など、人材育成における多様なシーンで活用されています。人材育成は企業成長のために欠かせない努力であり、特に少数精鋭の企業においては企業理念や業務内容の周知徹底が大切です。今回は、人材育成において、さまざまな効果を発揮するツール「研修動画」について、導入するメリットや活用方法、制作上のポイントなどをご紹介します。
目次
- 研修動画の活用が加速
- 研修動画によくある形式
- マニュアル形式
- セミナー形式
- ドキュメンタリー形式
- 【企業側】研修動画の3つのメリット
- (1)コストをかけずに効果が高い学習が可能
- (2)実施日が違っても研修の質が同じ
- (3)参加者の日程調整が不要
- 【社員側】研修動画の3つのメリット
- (1)日時や場所を問わず研修への参加が可能
- (2)好きなペースで繰り返し学べる
- (3)研修参加へのハードルが低い
- 研修動画を活用できるシーンや活用方法
- 新入社員などへのビジネスマナー学
- 企業理念などの周知
- 自社サービスや商品に対する知識の共有
- 作業手順などの把握
- オフライン研修に参加できなかった人への研修
- 研修動画の作り方<セミナー形式>
- 目的と伝えたい内容を設定する
- 配信方法を決定する
- シナリオと資料を作成する
- 研修動画を撮影・編集する
- ナレーション収録をする
- 効果的な研修動画作成のテクニック
- テロップで理解度を上げる工夫をする
- 短く簡潔な動画コンテンツにする
- 研修動画作成のご依頼は「Hive」へ
- 動画を活用して研修をより効率的に
研修動画の活用が加速
研修動画とは、ライブ形式のオンライン研修ではなく、録画配信型のオンライン研修のことです。ライブ形式にはないメリットを有していることから、近年研修動画の活用が急速に拡大しています。
また、感染症の拡大も背景となり、現在企業における研修のオンライン化が進み、IT企業やサービス業、製造業をはじめ、あらゆる業種の企業で研修動画が活用されています。活用目的も新入社員研修や既存社員の資質向上、自社ビジョンの認知などさまざまで、多岐にわたる分野で活用できるのが魅力です。
研修動画によくある形式
研修動画は主に3つの形式に分類され、制作目的に応じた形式で制作する必要があります。
マニュアル形式
マニュアル形式は、その名の通り操作手順やワークフローをまとめた形式です。営業職であればセールスプロセス、宿泊業であれば接客の流れ、エンジニアであれば操作手順などを動画にすることで、一連の業務を可視化するものです。営業力の強化や顧客満足度の向上、製品品質の底上げなどを目的に、マニュアル形式の研修動画が制作されています。
セミナー形式
講師がテーマに沿って解説を行う動画は、セミナー形式と呼ばれます。実際に開催したセミナーを撮影する方法と、制作したスライドに講師の解説を加える方法があります。セミナー形式は、新入社員研修やマナー研修、社内勉強会などに適したスタイルです。業務内容やコンプライアンスの周知を目的に制作されるケースが増えています。
ドキュメンタリー形式
職場の風景やインタビューなどを撮影する方式が、ドキュメンタリー形式です。ストーリー性を持たせたドラマ仕立ての研修動画も制作されており、中には動画配信プラットフォームで公開されているケースもあります。トップメッセージもこれに含まれますが、大規模会場での講和より動画視聴のほうが、表情や熱意が伝わりやすいという利点があります。企業ビジョンの共有や社員のモチベーション向上、社内連帯感の醸成に適した形式です。
【企業側】研修動画の3つのメリット
コストや労力を抑え、効率的な人材育成を実現したいと考える企業にとって、研修動画の導入には大きなメリットがあります。
(1)コストをかけずに効果が高い学習が可能
まず研修動画導入には、ランニングコストを抑えられるというメリットがあります。オフライン研修は、内容に応じて会場費や講演料、交通費、レジュメ印刷代などさまざまなコストが発生するほか、研修担当者が費やす労力も軽視できません。一方、研修動画はイニシャルコストはかかるものの、繰り返し再生できるためランニングコストが抑えられます。
また動画には、多くの情報量を短時間で伝えることができ、記憶に残りやすいという利点があります。インフォグラフィックの手法を用いれば、受講者の注意喚起や集中力の持続につながり、高い学習効果を期待できるでしょう。
(2)実施日が違っても研修の質が同じ
次に、研修動画には研修の質を均一化できるというメリットがあります。全国に支社を持つ企業や全国展開しているチェーン店が、複数の会場でオフライン研修を実施する場合、各々講師が異なるということも往々にしてあるでしょう。そうした場合、会場の構造によって内容が伝わりづらかったり、講師の能力に差があったり、研修間で格差が生じてしまいがちです。その点、研修動画であれば講師のスキルに依存することなく、研修内容の統一化を図ることができます。
(3)参加者の日程調整が不要
参加者のスケジュール調整が不要という点も、研修動画のメリットです。オフライン、オンライン型を問わず、集合研修の場合は日程が限定されるため、当日参加できない社員も出てきます。一方、研修動画の場合はスケジュールに左右されないため、参加率の上昇や研修担当者の負担軽減を実現できるでしょう。
また、LMS(学習管理システム)を用いれば、誰がいつ視聴を完了したかという進捗状況を把握できるため、研修の周知徹底を図ることができます。
【社員側】研修動画の3つのメリッ
研修動画の導入は、企業側だけでなく社員側にとっても、負担軽減やスキルアップなどのメリットが期待できます。
(1)日時や場所を問わず研修への参加が可能
研修動画の活用によって、全社員がいつでもどこでも研修に参加できる体制を整えられます。集合型研修の場合、遠方からの参加者は時間的・体力的なロスが生じるだけでなく、通常業務に支障をきたす場合もあるでしょう。しかし、研修動画の活用によって受講者の負担を軽減するとともに、業務の効率化を図ることができます。
(2)好きなペースで繰り返し学べる
研修動画には、各々のペースで反復学習できるという利点があります。すでに理解しているパートは倍速視聴し、苦手意識のあるパートはリピート再生するなど、主体的な学習が可能です。パートごとにタグ付けしておけば、受講者が復習したい箇所にアクセスしやすくなるでしょう。
また、BYOD(Bring Your Own Device)を承認した場合、通勤時間や休憩時間を利用して、研修内容への理解を深めることができます。
(3)研修参加へのハードルが低い
研修動画を活用すれば、研修に対するハードルを下げることができます。対面型の研修の場合、関係性の薄い社員と顔を合わせることへの不安や、分厚いマニュアルに対する抵抗感、大勢の前で直接発言することへの躊躇を感じることもあるでしょう。特に新入社員の場合、緊張感から本来の集中力を発揮できない人もいるかもしれません。その点、研修動画は心理的な壁を取り払い、研修への集中力を持続できるという利点があります。
研修動画を活用できるシーンや活用方法
研修動画は、業務形態や企業の課題に応じて活用方法を検討する必要があります。
新入社員などへのビジネスマナー学習
新入社員に対するビジネスマナー研修は普遍的な内容が多いため、繰り返し流用できる研修動画が有用です。集合研修やOJTの実施前に、研修動画を通じて基本的なビジネスマナーを指導しておくと、後のオフライン研修もスムーズに運ぶでしょう。研修動画を用いた基礎教育によって、オフライン研修の時間をおさらいや応用に充てることができ、効率的かつ効果的な新人研修を実現できます。
企業理念などの周知
企業理念の周知についても、研修動画によって永続的な実施が可能です。トップメッセージや年度初めの抱負、企業ビジョン、進行中のプロジェクトなどを伝えることで、企業の方向性を全社員に示すことができます。また近年、情報セキュリティやハラスメントに対してシビアな対応が求められており、動画を用いたコンプライアンス研修を行う企業が増えています。
自社サービスや商品に対する知識の共有
研修動画は、自社サービスや自社商品に対する知識の共有に適しています。サービス提案者の意図や開発担当者の思いを動画に取り入れることで、サービス・商品に対する理解度や愛着が深まり、自信を持ってクライアントに提案することもできるでしょう。
また、新サービスや新商品の場合は、作り込んだ動画よりも撮って出しの動画をいち早く共有することが望まれます。動画の利点を活かし、サービスの提供方法や商品の組立・操作方法を、視覚的に分かりやすく伝えることができるでしょう。
作業手順などの把握
営業や接客、製造などの流れを研修動画で紹介することで、作業効率の向上や社員のスキルアップを図ることができます。文字や図では伝わりづらいワークフローや経験値に基づくノウハウも、視覚・聴覚に訴える動画であれば直感的な理解が可能です。複雑な作業も、部分的に拡大したり、スロー再生や一時停止でじっくり観察したりすることで、理解が深まるでしょう。
オフライン研修に参加できなかった人への研修
集合研修を撮影した研修動画は、当日参加できなかった人に配信する補完ツールとして有用です。動画配信によって研修参加へのハードルを下げることができ、目下の重要業務を優先することもできるでしょう。また、研修動画を安全性の保証されたビデオライブラリで一元管理しておくと、企業財産の一つとして長年にわたって活用できます
研修動画の作り方<セミナー形式>
研修動画のメリットとして業務の効率化が挙げられますが、実際にどのような流れで研修動画が作られるのでしょうか。セミナー形式を例にとって制作の流れをご紹介しますので、参考にしてください。
目的と伝えたい内容を設定する
まずは、現状の研修に不足しているものは何か、どのレベルを目指すのか、という課題の洗い出しと目標設定を行います。社員のスキルアップを目的とした研修動画であれば「配信後のアンケートで自己評価を〇%上昇」という目標値を設定するなど、到達地点を明確にするとよいでしょう。目標に向けて伝えるべき内容をピックアップし、種別ごとにカテゴライズした上で、動画の本数設定や設計を行います。
配信方法を決定する
研修動画は、閲覧環境を考慮して配信方法を決定する必要があります。社用パソコンに限定するのか、BYOD(Bring Your Own Device)を許容するのかによって、設計方法が異なります。個人端末で視聴する場合、通勤中や移動中の時間を有効活用できますが、小さなテロップや複雑な図を挿入すると分かりづらくなってしまう上、通信量や画素数を考慮する必要があります。
また、ポータルサイトやイントラネットで公開するのか、あるいはメールで送付するのかをあらかじめ決定しておきましょう。
シナリオと資料を作成する
動画撮影に着手する前に、あらかじめ台本やストーリーボードを作成しておくと、撮影途中での軌道修正や撮り直しのリスクを軽減できます。再生時間を計算しながら作成するようにしましょう。
また、視聴が受動的にならないよう、能動的に考える時間を設けることで、より高い効果を期待できます。動画の途中にワークやディスカッションの時間をはさんだり、クイズ形式で理解度をチェックするのも一つの方法です。
研修動画を撮影・編集する
シナリオに基づいて、動画の撮影を行います。受講者の立場に立って、「見やすく」「聞きやすく」「分かりやすく」することが大切です。「聞きやすく」するには、周囲のノイズが入らない撮影場所を選び、小型マイクを用意しておくと安心でしょう。カメラの固定器具を用意するなど、ブレにも配慮が必要です。また、動画の一部分を示しながら説明を行う場合、示している箇所を赤枠で囲うなどの工夫は、「見やすく」「分かりやすい」動画につながります。
このほか、テキストや表、イラストを取り入れたり、トランジションを効果的に差し込んだり、動画に緩急をもたせると受講者に対する注意喚起にもなるでしょう。
ナレーション収録をする
研修動画には、基本的にナレーションをつける必要があります。動画全体の案内役や、ディテールの解説役としてナレーターが登場すると、視覚と聴覚の両面から理解を促すことができます。ナレーターと事前に打ち合わせを行って動画の重要箇所を示すとともに、声のトーンやスピードについて要望を伝えておくとよいでしょう。
効果的な研修動画作成のテクニック
研修動画は、ひと手間を加えるか加えないかで学習効率も左右します。ここではぜひ取り入れたいテクニックをご紹介します。
テロップで理解度を上げる工夫をする
研修動画の学習効果を上げるためには、テロップが有効です。たとえ、ナレーションと同内容であっても、テロップを入れることで記憶に定着しやすくなります。また、BYOD(Bring Your Own Device)の場合、社外で視聴するケースが考えられるため、ミュート状態でも内容を把握できるよう、テロップは必須です。テロップを入れる際には、無理なく判読できるかどうか、表示する尺やスピードに配慮しましょう
短く簡潔な動画コンテンツにする
研修動画は短尺にすることで、受講者の負担軽減や集中力の持続を期待できます。短尺であれば隙間時間に視聴でき、受講率アップにつながるでしょう。目安としては1~2分、長くても10分程度にまとめましょう。長くなってしまう場合は、研修内容を細分化して複数の動画を制作します。続きものの動画は、ラストに次回予告を入れると、つながりが分かりやすくなるでしょう。
研修動画作成のご依頼は「Hive」へ
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動画を活用して研修をより効率的に
今や動画は若年層に限らず中高年層にも浸透しており、効率的な研修を実現するには、動画の活用がおすすめです。企業においても、新卒社員など動画慣れしている若年層に対して、研修動画を活用することで、企業理念や業務内容の周知徹底を図れます。動画コンテンツのメリットを上手に活用して、組織力の向上を目指しましょう。