UnityとUnreal Engineの違いを徹底比較!どっちを使うのがおすすめ?
2022 07.20
「Unity」と「Unreal Engine」はゲーム制作のために開発されたゲームエンジンです。いずれも、2Dはもちろん3Dゲーム制作を効率的に進めるためのスペックを備えた統合型ツール。発展が目覚ましいXR分野での活用も期待されており、双方とも成長性が見込まれています。しかし、提供スタイルやシステムを検証してみるとさまざまな違いが見受けられます。今回は、2つのゲームエンジンを比較します。ゲーム開発だけでなく、3D映像の活用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
目次
- VRでも使用されるUnityとUnreal Engine
- UnityとUnreal Engineの違いを比較
- 料金体系
- マルチプラットフォーム対応
- プログラミング言語
- 公式アセットストア
- Unityの特徴
- Unityのメリット・デメリット
- メリット
- デメリット
- Unreal Engineの特徴
- Unreal Engineのメリット・デメリット
- メリット
- デメリット
- UnityとUnreal Engineで作った映像事例
- Unityで制作した雲の描写
- Unreal Engineで制作した駅の3D映像
- hiveならゲームエンジンを使った映像制作も可能!
- UnityとUnreal Engineの特性を踏まえた上で導入を
UnityとUnreal Engineの違いを比較
では、2つにどのような違いがあるのか、料金体系やスペックなど、項目ごとに違いを検証してみましょう。
Unity | Unreal Engine | |
料金体系 | 無料(プロ向けの有償プランもあり) | 無料(総収入100万ドル超の場合ロイヤリティが発生) |
マルチプラットフォーム対応 | 〇(デスクトップ/コンソール/モバイル) | 〇(デスクトップ/コンソール/モバイル) |
プログラミング言語 | C# | ブループリント、C++ |
公式アセットストア | 「AssetStore」 無料アセットが充実/検索が簡易 |
「マーケットプレイス」 高品質アセットが充実 |
料金体系
どちらも無料でスタートできるのは共通です。しかし、Unityの無料版は使用できるツールや環境が限定されるため、すべての機能を使う場合は有償プランがおすすめ。一方、Unreal Engineはすべての機能が完全無料で使用できます。ただし、ゲーム開発の場面では、ゲームの売上が100万ドルを超えた場合、5%のロイヤリティが発生します。
マルチプラットフォーム対応
いずれもマルチプラットフォームですが、Unityは20以上のプラットフォームに対応しており、Unreal Engineを上回っています。対応するプラットフォームが多く、活用できるシーンが多いUnityは、書籍やインターネット上での情報が充実しており、初心者でも2D・3Dのゲーム開発に取り組みやすいのが特徴。一方、Unreal Engineはグラフィック性能が高く、ハイクオリティな映像との親和性も高いですが、使いこなすには英語での読解力が必要なこともあり、Unityと比べクリエイターの中でも利用経験者は少ない傾向です。
プログラミング言語
UnityのC#は情報量が多く習得しやすいという利点があります。一方、Unreal Engineのブループリントは優れたビジュアルスクリプティングシステムで、ノンプログラミング・ノンコーデイングでゲーム開発が可能です。
公式アセットストア
いずれも、公式アセットストアで有料・無料のアセットを提供しています。サイトの使い易さという点では、Unityの「AssetStore」、クオリティの高さでは「Unreal Engine」がおすすめといわれています。
Unityの特徴
米国のUnity Technologies社によって2005年にリリースが開始され、今や世界ナンバー1のシェアを誇る「Unity」。洗練されたUIが特徴で、2Dはもちろんシンプルな3Dゲームであれば、プログラミングの専門知識がなくてもキャラクターの操作やデザイン変更が可能です。ゲームアプリに最適化し、「AssetStore」に有償・無償のアセットが豊富にそろっているため、2Dゲームアプリ開発において優位性を誇っています。
Unityのメリット・デメリット
Unityのメリットとデメリットについて考察してみましょう。
メリット
第一に、インターネット上で日本語の情報を入手しやすいことが大きなメリットです。ユーザー人口の多さゆえ、日本語のチュートリアルや情報交換サイトが数多く存在しています。また、「一度ビルドすれば、どこにでもデプロイ可能」を合言葉にクロスプラットフォームを実現しているため、スマホからPCまで幅広いプラットフォームに展開できます。
デメリット
デメリットは、無償ソフトが用意されているものの、有償版でしか使用できない機能があるなど、結果的に課金が必要となってくる点です。また、起動に時間を要するというレビューが散見されます。
Unreal Engineの特徴
米国のEpic Games社が開発。Unreal Engine 4から無償化し、個人クリエイターにも業界参入の門戸を広げました。「最も成功したゲームエンジン」としてギネス記録に認定されるほど、レビューの実績を誇っています。
「ブループリント」機能によって視覚的なプログラム作成を可能にし、3DゲームやCGコンテンツ制作における優れたワークフローシステムを構築しています。オープンソースなので、ユーザーが改編を加え、有機的に進化させることも可能です。
Unreal Engineのメリット・デメリット
Unreal Engineのメリットとデメリットについて考察してみましょう。
メリット
最大のメリットは、無償で利用できること。ゲーム製品の総収入額によりロイヤリティを支払う必要がありますが、基本的にはロイヤリティフリーです。社外のクリエイターとコラボする場合、無償ソフトウェアであれば作業の委託や共有を行いやすいというメリットが考えられるでしょう。
第2のメリットは、グラフィック性能の高さ。NaniteやLumenによってフォトリアルな映像世界を創出できるため、ゲーム分野だけでなく映像制作分野での活用度が高まりました。
デメリット
Unreal Engineを使って高品質のグラフィックを実現するためには、高性能なCPUとGPUを搭載したハイスペックなゲーミングPCが必要です。エディタが重いため、PCの性能が低いと動きが安定しないといわれていることが理由にあげられます。また、近年では日本語のサポートやチュートリアルが充実してきたとはいえ、情報量が少ないのも実情です。
また、AAAタイトルを制作する大手企業の場合は、ロイヤリティが高額になります。
UnityとUnreal Engineで作った映像事例
UnityとUnreal Engineは、大手制作会社はもちろん、多くの個人クリエイターが活用しています。その映像事例をご紹介します。
Unityで制作した雲の描写
Unity2021.2のHDRPに追加されたVolumetric Cloud を用いた、雲の映像表現です。白い雲が浮かぶ晴天や、今にも雨が降り出しそうな曇天を、簡単な操作で作成しています。
Unreal Engineで制作した駅の3D映像
イタリアを拠点に活躍する3Dアーティストが、 Unreal Engine 5を用いて富山県にある越中大門駅をリアルに再現。直接光だけでなく間接光まで計算できるLumenを取り入れ、フォトリアリズムを追求しています。
hiveならゲームエンジンを使った映像制作も可能!
近年、ゲームエンジンを導入して映像作品をクリエイティブする企業が躍進しています。「hive」でも、今回紹介したUnreal Engineを活用した映像制作が可能です。
https://company.hive-world.com/
hive(ハイヴ)は、大手広告代理店案件や各種広告賞の受賞作品を手掛けてきた、“違いを生む” 動画やCGクリエイターが多数在籍する「CREATOR’S STUDIO」です。幅広いジャンル(サービス・商品紹介 / 会社・事業紹介 / 研修・教育 / 採用 / イベント / How to / WebCM / ブランディング / ドキュメンタリー / テレビ番組 / 映画)の動画や映像制作を、ハイクオリティ且つ適正価格で実現できます。
UnityとUnreal Engineの特性を踏まえた上で導入を
コンテンツ開発に実績のあるUnityと、グラフィック性能に秀でたUnreal Engineは、いずれもXR分野をリードしていく重要なツールです。導入を検討する際は、双方の特性を把握した上で、自社のプロジェクトとの適合性を見極めることが大切です。今後も注目を集める仮想空間や3D映像の活用シーンを検討し、適切なツールを選択しましょう。