採用ブランディングの目的は?メリットや方法、取り組む時の流れを解説

採用ブランディングとは、自社のブランド価値を高めてファンを増やすことで優秀な人材の獲得につなげる採用戦略を指します。売り手市場の今、採用市場において優秀な人材獲得に苦戦する担当者の方も多いのではないでしょうか。この記事では、採用ブランディングの基礎知識から、メリットや実践方法、また実際に動画を活用した企業の採用ブランディング事例も紹介します。

 

目次

  1. 採用ブランディングとは
    1. 採用ブランディングの目的
    2. 注目される理由
  2. 採用ブランディングを行うメリット
    1. 他社企業と差別化が図れる
    2. 企業理解が促進され、ターゲットに近い求職者が集まる
    3. 入社後の離職率が下がる
    4. 採用コストが削減できる
  3. 採用ブランディングを行うときに気をつけること
  4. 会社の採用ブランディングに取り組むフロー
    1. 採用ブランディングの目的を決定する
    2. 市場や競合を含めて、自社の立ち位置を確認する
    3. 軸となるコンセプトやキャッチコピーを決定する
    4. メッセージを発信し、運用する
  5. 採用ブランディングを発信する場所や方法は?
  6. 新卒採用を成功へ!企業の採用ブランディング動画事例
    1. 株式会社日本エスコン
    2. AOI Pro. Inc.
    3. 株式会社バンダイ
  7. 採用ブランディングが学べる本
    1. 「無名×中小企業」でもほしい人材を獲得できる 採用ブランディング 深澤了 著(幻冬舎)
    2. 明日から使える「採用ブランディング」実践法 採用ブランドを構築する9つのステップ 毛利大一郎 著(パレード)
  8. 採用ブランディングには動画活用がおすすめ

採用ブランディングとは

採用ブランディングとは、自社を「ブランド化」して魅力を高める採用戦略を意味します。企業が成長し続けるためには優秀な人材の確保が不可欠と言われている今、応募を集めるためには「この会社で働きたい」と思ってくれる求職者を増やす必要があります。そのために、企業は理念や社風など自社の魅力を伝える情報発信を行い、企業のブランドイメージの向上を図る施策を検討することが必要です。

採用ブランディングの目的

採用ブランディングの最大の目的は、自社が求める人材の獲得です。採用ブランディングを行うことで、応募者数の増加だけでなく応募者の「質」の向上が期待できます。企業の価値観に共感した人材の応募が期待できるため、採用できる確率が高まるほか、採用後のミスマッチ削減にもつながります。

注目される理由

近年の人材獲得競争の激化による売り手市場を背景に、採用ブランディングが注目を集めています。少子化や人材不足のため有効求人倍率の上昇が続き、優秀な人材の獲得が困難になっている中で、自社の採用の競争力を上げる試みとして積極的に取り組む企業が増えています。

採用ブランディングを行うメリット

採用ブランディングを行う利点にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは4つのメリットを紹介します。

他社企業と差別化が図れる

採用ブランディングを行うことで、他社企業との差別化が図れます。人材獲得の競争が激しくなる中で、優秀な人材を確保するためには、競合他社との違いや自社の魅力をしっかりとアピールすることが大切です。他社と異なる、自社ならではの魅力を発信することで「この企業で働きたい」と思ってもらうきっかけが作れます。そうすることで、人材獲得競争も有利に進められるでしょう。

企業理解が促進され、ターゲットに近い求職者が集まる

求めていた採用ターゲットに近い求職者からの応募が集まりやすいこともメリットです。自社の情報を発信することは求職者の企業理解を深めることにもつながります。求職者が応募前に「この会社が自分に合っているのかどうか」を検討できる材料となることで、社風などにもフィットした人材が集まりやすくなります。

入社後の離職率が下がる

企業の考えや姿勢に共感した人材からの応募が増えることで、入社後のミスマッチが減り、離職率を下げられるのも採用ブランディングを行うメリットです。積極的に採用活動を行い、やっとのことで採用できたとしても、入社後にイメージとの相違が生まれたり、従業員のエンゲージメントが低下したりすると、早期離職の要因にもなるでしょう。採用ブランディングを行うことで応募や初期選考の段階から、求職者との「マッチング精度」を高めることができます。

採用コストが削減できる

採用ブランディングには離職防止の効果もあるため、少ない採用コストで効果的な採用ができるというメリットもあります。前述したように求職者との「マッチング精度」を高めて的確な採用活動を行うことで、選考途中での離脱や内定辞退、入社後の離職が減らせ、効率的な採用活動も可能です。また、採用ブランディングに取り組む中で求人情報を発信できる独自のルートが確立されれば、採用広告のコスト削減にもつながります。

採用ブランディングを行うときに気をつけること

採用ブランディングを行うときは、主に以下のようなことがデメリットにもなり得るため、事前に理解しておきましょう。

 

 ・全社で取り組む必要がある

 ・継続的な情報発信など、長期的な運用が求められる

 ・結果がでるまで時間がかかる

 

自社をブランド化していく必要がある採用ブランディングは、人事だけではなく全社で認識と方向性の統一を図り、取り組む必要があります。また、採用ブランディングを確立するためには、2、3年という長い時間を要します。すぐに結果が出るものではないため、継続的な情報発信を行い、長期的な運用を見据えた計画を立てることが大切です。

会社の採用ブランディングに取り組むフロー

会社の採用ブランディングに取り組むには、どのようなプロセスがあるのでしょうか。ここからは、基本的な採用ブランディングのフローを紹介します。

採用ブランディングの目的を決定する

まず始めに、採用ブランディングの目的を決定します。採用ブランディングを通して獲得したい人物像や採用人数、解決したい課題などを洗い出しましょう。プロジェクトをスムーズに進めるためには、目指すゴールをしっかりと整理することが大切です。

市場や競合を含めて、自社の立ち位置を確認する

目的を決めたら、次は自社の立ち位置を確認しましょう。採用市場や競合他社を含めて自社が置かれている現状を把握することが必要です。ターゲットのニーズや採用トレンドなどを踏まえ、自社が発信すべき強みを分析します。

軸となるコンセプトやキャッチコピーを決定する

自社の立ち位置を確認したあとは、採用ブランディングにおいて軸となるコンセプトやキャッチコピーを決定します。コンセプトとは、自社がターゲットから「どのように見られたいのか」という基本方針で、プロジェクトに一貫性を持たせて情報発信を行うためにも重要なものです。採用したい人物像の「心に響く言葉」や「伝えたい言葉」をメッセージに込めましょう。

メッセージを発信し、運用する

最後に、決めたメッセージを発信・運用します。採用ブランディングは発信したら終わりではありません。発信した内容や発信方法を振り返り、どのような効果が出ているのか確認することも大切です。SNSやコーポレートサイトなどの場合は、アクセス数や口コミなどを分析して積極的にPDCAを回してブラッシュアップを行いましょう

採用ブランディングを発信する場所や方法は?

実際に、採用ブランディングを発信する場所や方法にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

 

発信する媒体

形式

・求人

・コーポレートサイト

・SNS

・ブログ

・セミナー

・パンフレット など

・テキスト

・動画

・画像

・音声 など

 

 

 

メッセージを自社のターゲットに届けるためには、最適な発信媒体と形式を検討することが重要です。発信する場所は自社のコーポレートサイトや求人媒体、TwitterやInstagramといったSNSなどさまざまですが、それぞれの媒体の利用者層と、自社のターゲット層とが一番マッチする媒体の選定が必要です。また発信する際の形式には、テキストや動画などの形式がありますが、より多くの情報をわかりやすく伝えたり、テキストにしにくいことを伝えるには、動画の活用がおすすめです。

 

 

新卒採用を成功へ!企業の採用ブランディング動画事例

前述したさまざまある発信方法の中から、採用ブランディングに動画を積極的に活用する企業が増えています。ここでは新卒向けの動画事例を紹介します。

 

 

株式会社日本エスコン

株式会社日本エスコンが新卒向けに配信している採用ブランディング動画です。「What’s IDEAL?」をキャッチコピーに、理想やかなえたいことを自分に問いながら活躍してほしいといった願いが感じられます。実際の動画は、社内や社員の働く風景から始まり、仕事に取り組んでいる社員の姿をリアルな声と共に会社のコンセプトを表現している事例です。

 

AOI Pro. Inc.

AOIProIncが配信している新卒向けのコンセプト動画です。キャッチコピーは「青い炎を、燃やせ」。社員がそれぞれ仕事に自信を持って挑戦し、前向きに働いている姿を動画にすることで、「やりがいを持って働ける職場」と視聴者に印象づけている事例です。

株式会社バンダイ

株式会社バンダイが配信している新卒向け採用ブランディング動画です。「夢をカタチに。一緒にワクワクする未来を創りましょう!」をキャッチコピーに掲げています。企画・開発や営業などさまざまな部署の社員の声を動画に収め、入社後の選択肢の広さを示している事例です。

採用ブランディングが学べる本

採用ブランディングが学べる本を紹介します。

「無名×中小企業」でもほしい人材を獲得できる 採用ブランディング 深澤了 著(幻冬舎) 

広告代理店のCMプランナー兼コピーライターとして活躍し、その後採用関連の仕事で1,000社以上と関わってきた著者が綴る採用ブランディングについての本です。ターゲットから選ばれる企業になる革新的な「採用方法」について解説しています。

明日から使える「採用ブランディング」実践法 採用ブランドを構築する9つのステップ 毛利大一郎 著(パレード)

採用ブランディングの実践方法について書かれている本です。採用したいターゲットの設定の仕方から情報の集め方、自社の魅力を言語化する方法など、採用ブランド構築までを9つのステップに分けて紹介しています。

採用ブランディングには動画活用がおすすめ

採用ブランディングは、効果を感じられるまでには時間も手間もかかりますが、長期的な視点で採用を成功させるためには有効な施策の1つです。最近では、採用ブランディングに動画を活用する企業も増えています。自社のターゲット層に訴求したいことをわかりやすく伝えるために、採用活動でも動画を活用してみてはいかがでしょうか。