Unreal Engineの商用利用について解説。ライセンスやマーケットプレイスのコンテンツも
2022 06.30
Unreal Engineの利用を検討している方の中には、Unreal Engineで作ったゲームの商用利用はできるのか、その場合のライセンスはどうなっているのか知りたい方もいるかと思います。この記事では、Unreal Engineのライセンスの種類と利用料や制作した作品の商用利用における注意点、Unityとの価格の違いなどについて説明します。
目次
- Unreal Engineは商用利用可能なゲームエンジン
- Unreal Engineのライセンスは3種類
- スタンダードライセン
- エンタープライズプログラム
- カスタムライセンス
- Unreal Engineが無料で使える理由
- 理由(1)人気ゲームで収益をあげている
- 理由(2)ロイヤリティやアセット販売での売上がある
- Unreal Engineマーケットプレイスのコンテンツも商用利
- Unreal EngineとUnityのライセンスや価格の違い
- ライセンスの違い
- 価格の違い
- Unreal Engineは商用利用や改変も可能!無料で始めやすいゲームエンジンとして注目
Unreal Engineは商用利用可能なゲームエンジン
Unreal Engine(アンリアルエンジン)とは、アメリカのEpic Games社が開発した3Dゲームエンジンです。クオリティの高いゲームを制作するためのプロ仕様のツールでありながら、基本的にすべての機能を無料で使用できます。また、Unreal Engineを使って制作したゲームの商用利用も可能。商用利用においては、Epic Games社の定める規定によってライセンス料金の支払いが発生しますので、この記事で確認しておきましょう。
Unreal Engineのライセンスは3種類
Unreal Engineには、3つのライセンスがあります。基本的には無料で利用できますが、サポートや売上次第では有料となるので注意しましょう。
スタンダードライセンス
スタンダードライセンスは、最も基本的なライセンスです。無料で全ての機能や学習教材が利用できますが、Unreal Engineで制作したゲーム1タイトルあたりの粗収入が100万米ドルを超えた場合、その超えた分の売上に対して5%のロイヤリティが発生します。最初の100万ドルの売上に対してのロイヤリティは免除されます。試しに使ってみたい場合や開発したゲームを商用利用する場合、Epic Games社によるプレミアムサポートが必要ない方はスタンダードライセンスを選びましょう。
エンタープライズプログラム
エンタープライズプログラムは、ゲーム開発以外の製品開発を行う企業や専門家向けのライセンスです。Epic Games社によるプレミアムサポートやプライベートトレーニングのオプションなどが含まれ、年間1,500米ドルのライセンス料金が発生します。つぎに説明するカスタムライセンスと同様に、企業のニーズに合わせてライセンス要件を組むことも可能です。
カスタムライセンス
カスタムライセンスは、ゲーム開発の専門家や制作スタジオ向けのライセンスです。プランの内容を企業独自のニーズに合わせてカスタマイズでき、料金は内容によって異なります。Epic Games社による技術的なサポートを必要とするゲーム開発者やゲーム販売制作者及び、数百万米ドルの売上が見込まれるゲーム開発プロジェクトを行う場合におすすめのライセンスです。
(参考:Unreal Engine「ライセンス オプション」)
Unreal Engineが無料で使える理由
企業からリリースされている多くのゲームエンジンやソフトウェア、アプリなどは、無料であっても何かしらの有料コンテンツの提供や機能制限が設けられています。しかし、Unreal Engineにおいては機能面における制限はなく、サポートやロイヤリティの支払いにおいて有料となる仕組みを採用しています。ここでは、なぜ高性能ゲームエンジンであるUnreal Engineが無料で提供されているのか、その理由について紹介します。
理由(1)人気ゲームで収益をあげている
Unreal Engineが無料で提供されている理由は、提供元のEpic Games社がすでに多くの人気ゲームの販売により収益をあげているためと言われています。そのため、たとえUnreal Engineの売り上げがなくても、会社運営において軸となる収益事業があるため無料で提供できるのでしょう。
理由(2)ロイヤリティやアセット販売での売上がある
Unreal Engineの機能は全て無料ですが、前項で説明した通りEpic Games社はロイヤリティやカスタムライセンスのほか有料アセットの販売による売上があります。Unreal Engineを使って制作されたゲーム会社は日本を含め世界中に多くあり、日本でも有名なゲームタイトルも多数リリースされているので、ロイヤリティやアセット販売による利益は発生しているはずです。
Unreal Engineマーケットプレイスのコンテンツも商用利用可
Unreal Engineのマーケットプレイスで提供・販売されているコンテンツは、商用利用が許可されています。ただし、Unreal Engineで制作したゲームに利用する場合のみ全てのコンテンツの改変及び販売が可能です。そのため、Unreal EngineのマーケットプレイスのコンテンツをUnityなどほかのゲームエンジンで利用すること自体はできますが、それを改変して販売することは禁止されているので注意が必要です。
Unreal EngineとUnityのライセンスや価格の違い
最後に、Unreal Engineと並んでゲームエンジンの2大巨頭を組む「Unity」のライセンスと価格の違いについて説明します。機能や特徴の違いについては以下の記事に詳しく記載していますので参考にしてください。
ライセンスの違い
Unityには主に3つのライセンスが設けられており、Unreal Engineと同様に無料のプランから企業向けのプランがあります。いずれも過去12ヶ月の収益や資金により料金は異なり、無料のPersonalプランでは一部の機能が無料で使えますが過去12ヶ月の収益や資金が10万米ドル未満の利用に制限されています。
価格の違い
Unreal Engineは全ての機能が無料で使用可能です。ただし、制作したゲームの売上が100万米ドルを超えた分には5%のロイヤリティが発生するほか、サポート内容によっては利用料がかかります。Unityも無料で利用できますが、機能は一部制限がかかるほか、過去12ヶ月の収益や資金が10万米ドル以上の収益の場合は有料プランとなります。
Unreal Engineは商用利用や改変も可能!無料で始めやすいゲームエンジンとして注目
Unreal Engineの商用利用について、ライセンスや無料で利用できる理由などをお伝えしました。Unreal Engineは全ての機能を無料で使えるだけでなく、100万米ドル未満なら商用利用もライセンスフリーで利用できることから多くのクリエイターや企業から注目を集めています。ゲームエンジンのデファクトスタンダードにもなりつつあるUnreal Engineを使って、商用利用を目的としたゲーム制作にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。